年次有給休暇の付与日、基準日は、一般には公務員も民間企業も4月1日にすることが合理的です。私が勤務している会社では、就業規則を改正して、従来は1月1日としていた基準日を4月1日に移行しましたが、その経験を綴っています。

 「年次有給休暇の基準日を合理的に 1」

 「年次有給休暇の基準日を合理的に 2」 参照願います。

 

義務5日分の扱い

 我が社では、2024年1月1日に社員に年休を付与し、その後2月に就業規則を改正して基準日を4月1日にしたので、4月1日にも付与します。これは、2025年1月に付与するはずだった分の前倒しです。10日以上の年休を付与された社員には付与日から1年以内に最低5日の年休を取得させなければなりませんが、2024年1月から1年間と同年4月から1年間の二つの期間が重なってしまいます。

 このような場合、義務5日分の扱いは2通りの手法があります。

 一つは、2024年1月から2025年3月末までの15か月間に7日(5日×15月/12月、切り上げ)の取得を義務付けるやり方です。もう一つは、2024年1月からの1年間と同年4月からの1年間のいずれも5日以上の年休取得を義務付ける手法です。この場合、2024年4月から12月の間に5日取得すれば、それだけで両方クリアできます。

 どちらの手法も認められますが、前者で実施する団体が多いようです。我が社もそちらを選び、前回のブログ「・・・合理的に 2」で紹介した改正附則の条項の次の項に「第〇条第〇項の規程により時季を指定して社員に取得させる年次有給休暇の日数は、令和6年1月1日から令和7年3月31日までの15か月間に限り7日とする。」と定めました。

 

違法な移行措置をする自治体もある

 当社で基準日を移行するに際し、ネット等で先行事例を調査しました。

 基準日を4月1日に移動した自治体の中には、3か月分を按分して付与したり、前の基準日から15か月後を次の基準日にしたりするケースもあるようでした。これらは、民間企業がやれば違法なので、地方自治体がやっても違法でしょう。

 条例で定めれば違法ではないというのは誤りです。労働基準法は国家公務員は除外されていますが、地方公務員には一部の条項を除いて原則として適用され、条例も法律に従って制定しなければなりません。ただ、現業以外の地方公務員は労働基準監督署が監督せず、人事委員会や首長が監督することになっているため見過ごされているだけです。

 「地方公務員と労働法制」 参照願います。

 

 合理的な制度に移行するのも、適法に実施しなければなりません。

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