副題が「富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣」です。題名のとおり、著者は東京国税局で相続税調査を担当していた元国税専門官です。

 相続税は、著者が担当されていた当時は、基礎控除が5000万円+(1000万円×法定相続人の数)で、相続人が配偶者と子供が二人の3人であれば8千万円超の資産がなければ対象外でした。2015年に控除額が3000万円+(600万円×法定相続人の数)に引き下げられ、先の例の配偶者と子供二人なら4千8百万円超の資産があれば相続税を課されるようになりました。その結果、引き下げ前は相続税の申告義務があるのは亡くなった人の3.5%ほどでしたが、今は10%ほどとのことです。

 一方、クレディ・スイスの調査によると、2020年に米ドル換算で100万ドル超の資産を持つ日本人成人の比率は全成人の3.5%とのことで、著者が対象としていた控除額引き下げ前の相続税申告義務者の対象とほぼ重なるようです。米国では100万ドル超の資産を持つ人をmillionaireと呼びますが、本書も急激な円安前のレートでそれに近い、1億円超の資産を持つ人を一応、億万長者、富裕層と扱っています。

 以前ベストセラーになっていた米国の億万長者を研究した本をを読みましたが、日本の状況はどうなっているか興味があり、本書を手に取りました。

 「となりの億万長者」(新版、トマス・スタンリーほか)を読んで

 「その後のとなりの億万長者」(サラ・スタンリー・ファラーほか)を読んで  参照願います。

 

 日本の億万長者も、米国と同様、質素倹約に励み、地道に資産を蓄えてきた人が大半を占めるようです。

 「仕事をして、倹約に努め、地道に資産を蓄えてきた人」「節度をもって生活をした結果として、金銭的な余裕を持つに至った人」が多くの億万長者の姿です。

 

 副題でいう29の習慣」ですが、「本業でしっかり長く稼ぐ」「ギャンブルをしない」「不動産や株式に投資する」「長期的なスパンで投資する」など、億万長者になるためのノウハウが解説されています。

 公務員を長く勤め、質素倹約に励み、余裕資金を株式等に投資すれば、億万長者になる資格はありそうです。

 私のような地方都市在住者にとって少し残念なのは、億万長者になるには都会の方が有利です。「厚みのある労働市場に身を置くことが働き手の収入に及ぼ好影響」「働き手の数が100万人以上の土地で働いている人の平均賃金は、25万人未満の土地の約1.3倍以上」という米国の研究結果が紹介されています。日本も同様でしょう。公務員にも地域手当がありますし・・・。

 多少は資産形成をしたいと考えておられる方は、一読すべき本だと思います。

 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)

スポンサードリンク