2024年ゴールデンウィーク前半の最終日の4月29日(月、祝)、13時05分からNHKスペシャル「未解決事件・下山事件」の再放送を見ました。新聞の番組表には「占領期最大ミステリー国鉄総裁謎だらけの死検察捜査の知られざる舞台裏を実録ドラマ化スクープ資料徹底追跡」とありました。

日本が連合国軍の占領下にあった1949年に事件が起こりました。国鉄職員10万人の解雇をめぐる労働組合と経営側が激しく対立し、下山総裁もその真っただ中にいる時、行方不明になり、常磐線綾瀬駅付近で轢死体で発見されました。検察は、時効まで15年にわたり真相を追い続けましたが、未解決に終わりました。捜査の途中、日本政府や米国から捜査を打ち切るよう圧力がかかったり、真相に近づいた新聞記者が脅迫されたりした事実もありました。

 自殺説、他殺説が入り乱れ、検察の捜査やスクープを狙う新聞記者たちの調査の中で、様々な組織の関与が見え隠れしたようです。実録ドラマは、とても見応えがありました。

 

事件の真相

 番組の中で、断定はされていませんが、米国の諜報組織の犯行であったことが強く示唆されています。番組内で並べられた事実からすれば、それが真実だろうと私は思います。あの番組を視聴した人の多くも、そう思ったでしょう。

 朝鮮戦争が始まることを予期し、そうなった場合に、半島で戦う米軍の補給・支援のために国鉄を全面的に米軍に協力させようとする米国、それに消極的だった下山総裁。さらに、総裁の殺害をソ連のスパイの仕業に見せかけようとする工作もあったようです。朝鮮戦争がはじまり、米軍は国鉄をフル活用しました。

 

 日本政府やGHQに捜査打ち切りを指示され、担当検事が「独立国の検察がこれでいいのか?」と憤りをあらわにし、上司が「米国との関係は日本の存立にかかわる」と諭す場面があったように記憶しています。

 この「日本の存立にかかわる」というような表現は、在日米軍基地の存在が憲法違反ではないかと争われた事件の際や、日米安全保障条約に関する議論の中で、今でもよく聞く表現です。

 今も占領期とあまり変わっていないようです。今も日本は、米軍に国家主権の一部を奪われたままです。

 「砂川事件 政府は米軍との関係正常化を急げ」
 「知ってはいけない」(矢部宏治)を読んで  参照願います。

 この番組は、昨年放送されたものの再放送です。75年前の事件ではありますが、米国や日本政府にとっては隠しておきたい事件でしょう。綿密に調査し、番組を制作し、放映したNHKに敬意を表します。

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