5月21日、横浜市が、市の教員によるわいせつ事案の裁判の際、公判で教育委員会の職員らを動員して傍聴させていたことが何度かあると発表しました。被害者側からの要請を受けた場合、児童生徒に関するプライバシーを守ることを目的として行ったとのことですが、「一般の方の傍聴する機会を損なう行為」だったとして謝罪し、今後は実施しないとしています。
市教育委員会の気持ちは理解できる
私も、某県教育委員会の事務方として、教職員の懲戒処分を担当していたことがあります。その経験から、市教委の気持ちは理解できます。
懲戒処分を行った際、処分の概要を報道発表しますが、わいせつ事案についてはとても気を使います。被害者が特定されるような情報は公開しないことは当然ですが、どんなわいせつ行為をしたのかも具体的には示しません。というのは、公表しなくても事件の周辺の人たちは誰が被害者かを知っている場合が多いので、「あの子は、あんなことをされたんだって」というような話になってしまうことをできるだけ避けたいのです。
しかし、教育委員会で伏せていても、公判になれば具体的にどのような行為が行われたか示されてしまいます。被害者やその家族は、周囲の人たちには特に知られたくないでしょう。教育委員会の事務局が、被害者側の気持ちを汲んで、傍聴席を独占したくなる気持ちは、よく理解できます。
勘繰られているような、加害者をかばう気持ちなどはなかったでしょう。教育委員会の職員としては、わいせつ事件の加害者に対しては、信頼を損なったという腹立たしい気持ちが強いものです。また、教育委員会職員は、教員であった加害者と知り合いである可能性も高いはずですが、加害者とすれば被告席のみじめな姿を知人に見られることは、一般人に見られるより苦痛でしょう。
被告席にいる加害者のみじめな姿を見せることは、職員研修になるかもしれません。これは半分冗談ですが・・・。
今後どうするのか
横浜市教育委員会では、今後は実施しないとのことです。そうなると、被害者側のさらなる苦痛をどうやって防ぐかが課題です。
わいせつ事件については、被害者のプライバシー保護のため、公判のやりかたに今以上の工夫が必要かもしれません。
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