2021年に発生した相続に関する調停、審判のうち、遺産額1千万以下が33%、それを超え5千万以下が43.8%と、全体の8割ほどが普通の家庭で起きているとのことで、資産が少ないからと安心してはいられません。

 私は50年近く前に公務員試験のために民法もざっと勉強し、7、8年前にはファイナンシャルプランナーの受験のため相続に関することも勉強していました。しかし近年、制度の改正が相次ぎ、特に今年(2024年)から大きな変更があり、勉強のし直しの必要性を感じていました。

 本書は、基礎的な知識の解説に加え、トラブルになった例がたくさん紹介されていて、どういう点に注意しなければならないか解説されています。私も、気づいていなかった点がたくさんありました。

 2024年1月から施行の相続税の改正で最も注目すべきものは、生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長されたこととです。贈与税の非課税の範囲内で生前贈与していても、贈与してから一定期間内に死亡した場合は相続税の計算上は相続財産に持ち戻されてしまいます。その期間が、従来は3年だったのが7年に延長されました。

 一方、相続時精算課税を選択していた場合も、年間110万円までの非課税枠が新設されました。しかも、この場合は、贈与してすぐに死んでも持ち戻しされないとのことです。いろいろ面倒な点もありますが、7年間絶対に生きているという自信がない人は、相続時精算課税を選択したほうが良さそうです。

 また、相続税を申告しなければならない人の場合、生命保険の死亡保険金の受取人を配偶者にしていると、相続税の計算上で不利になることも知りました。早速、対策しなければなりません。

 本書を読み、いろいろ考えることもあったので、エンディングノートや私の相続対策も見直ししようかと思っています。特に、相続税の対象になる程度の財産を持っている方には、お勧めです。

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