本書は、原子力工学の研究者である著者が、最先端の量子科学の成果「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」から死後の世界の存在の可能性を論じた本です。
現在の科学の常識では、人は死ねば意識も停止して無に帰し、死後の世界など存在しません。著者もかつてはそう考えておられ、私もそう考えています。しかし、著者は、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」を基に考察を重ね、死後の世界はあると考えるに至ったということです。
久坂部羊さんの本に本書が紹介されており、読んでみたくなりました。量子科学の説明が難しすぎたら、すぐに投げ出そうと思いながら読み始めましたが、最後まで興味深く読むことができました。
「人はどう老いるのか」(久坂部羊)を読んで 参照願います。
「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」とは、「この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事のすべての情報が記録されている」という仮説であると、著者が解説しています。
また、最先端の脳科学「量子脳理論」(ノーベル物理学賞のベンローズが最初に提唱)では、脳の働きは量子的プロセスで行われているとされます。「ゼロ・ポイント・フィールド」は普遍的に存在するので、脳の働き、意識とつながることもあり得ます。
我々の意識はいくつもの階層構造になっており、自分で観測できる表面の意識は欲望などの雑音が多いのでダメですが、もっと深層の潜在意識や無意識などは「ゼロ・ポイント・フィールド」の情報とつながることがあるというのが、著者の考察です。
前世の記憶を持つ人がいたり、死者と交信できる人がいたりします。それらすべてが錯覚だとかいかさまだとか言えないようです。それらの不思議なことも、本書ではゼロ・ポイント・フィールド仮説から「科学的な」説明がなされています。
量子科学の説明は、文系の私が読むと、まるで哲学、宗教のような感じです。仏教の考えに、ゼロ・ポイント・フィールド仮説に近いものを感じます。また、若い頃に読んだ手塚治虫さんの「火の鳥」で主人公が死んだ後に、その意識が火の鳥や宇宙と一体化していく描写を思い起こさせます。
本書はあくまでも仮説であり、私も信じ切ることはできませんが、否定もできません。自分が死ぬ時に、それが分かるのが楽しみです。
![]()
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。
サイト案内(目次)へ
コメント