103万円の壁」などない!

 前にも少し書きましたが、自民党との政策協議で国民民主党が拘っている103万円の壁」、理解に苦しみます。給与収入が103万円を超えると、ドンと103万円に税金がかかるわけではなく、超えた額に税率を掛けるだけです。その税率も、基本的には所得税は5%です。住民税が10%かかったとしても合わせて15%です。給与収入が10万円増えたとすると、1万5千円は税金で引かれるでしょうが、8万5千円は手もとに残るのです。生活が苦しい人が、この壁を理由に働き控えをするとすれば、愚かなことです。
 「103万円の壁のひきあげは悩ましいが」  参照願います。

 配偶者(パート主婦の夫など)の税金についても、以前はパート収入が103万円を超えると配偶者控除が受けられなくなり、税金が増えましたが、2018年から配偶者特別控除の制度が改正され、150万円までは同額の控除を配偶者が受けられるようになり、配偶者の所得税も増えなくなりました。それを超えても控除額が段階的に少なくなるだけで、「壁」と呼ぶようなものではありません

 103万円の壁」は幻影に過ぎません。こんなものに拘って制度をいじり、複雑にするのは多くの国民に迷惑で、この恨みは国民民主党と自民党に向かいます。

130万円の壁」「106万円の壁」は大きな問題

 一方、年間収入が130万円(企業規模により106万円)を超えると社会保険の「第三号被保険者」(扶養されている配偶者)になれず、自ら社会保険料を払うことになる、いわゆる「130万円の壁」「106万円の壁」は深刻です。この「壁」を意識して働き控えする人がいることは理解できます。この「壁」は撤廃すべきでしょう。

 しかし、先日厚労省が検討していると報じられた案(週20日以上働く人は収入にかかわらず社会保険加入を義務付ける)では不十分です。あの案では、「130万円の壁」等の代わりに、「週20日の壁」ができ、働き控えをする人が多くなるでしょう。

 「第三号被保険者」の制度自体を撤廃しなければなりません。第三号被保険者の分の社会保険料を配偶者が負担しているのではなく、共働きの人や単身者を含む加入者全体で負担するのは、不公正です。子や老親を扶養しているのなら社会全体で支えることも必要でしょうが、生産年齢の配偶者の分を他人に負担させるのは不公正です。
 夫は外で働き、妻は家庭を守るという伝統的な家族の姿が主流だった時代に始まった制度でしょうが、夫婦共働きが当たり前になった時代に残しておくべきではありません。せっかく労働団体の「連合」も撤廃を求めているのですから、撤廃しない理由などないでしょう。
 伝統的な家族像を守りたい守旧派でもいるのでしょうか?専業主婦のいる家庭は反対するかもしれませんが、今まで不当に恩恵を受けてきただけなのです。

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