著者は、いろいろな場で国民に投資などしないよう、投資から早く手を引くよう訴えておられます。本書の副題は「こうしてあなたはババをひく」で、読者に投資に手を出さないよう戒める内容です。
著者が投資に否定的な理由は、主に2つです。
まず、投資は基本的にギャンブル、ゼロサムゲームだということです。お金は全体としては増えることはなく、誰かのお金が増えれば誰かのお金が減っている(または借金が増えている)、勝つ人がいれば、それと同じだけ負ける人がいるということです。このお金についての考えは、田内学氏と同様で、本書でもここから引用しています。
『「きみのお金は誰のため」(田内学)を読んで』 参照願います。
著者は、かなりのページを割いて投資銀行などが一般人をカモにする金融商品を作り出し、利益を貪っている実態を描写しています。
2つ目は、今はバブルで既に株価等も膨らんでおり、近いうちに暴落するからということです。自民党政権が「貯蓄から投資へ」などと言って国民を煽り、新NISAなどで投資に駆り立てていますが、バブルが弾けた時に破産者が続出することを危惧しています。
著者の言われることは理解できる部分も多いのですが、賛成できない部分もあります。
ピケティーの有名なr>g(資本の収益率は経済成長率より大きい)の理論は著者も肯定していて、本書でも引用しています。また、不公正な競争によって、大きな企業が利益を上げていることにも言及しています。そうであれば、我々庶民が大きな会社(上場企業)の株式を保有し、配当という形で利益の分け前をゲットすることは、悪い戦略とは思えません。一切の投資を否定する必要はないと思います。私は、サラリーマンも投資をすべきだと思い、私自身は30代から株式投資を続けています。
「新NISAを活用しなければ」 参照願います。
ただ、著者が本書で指摘されている、許容できないほどの格差の拡大、地球環境破壊、少子化などのために「資本主義が終わる」可能性は私も感じています。しかし、私の生きているうちにはそんな事態にならないと思うので、株式保有を続けます。
また、資本主義が終わった結果、地球環境が守られるなら、その方がいいでしょう。私の多少の損失など、問題になりません。
「人新世の「資本論」」(斎藤幸平)を読んで 参照願います。
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