毎年、年末年始には、このシリーズと文藝春秋オピニオンのシリーズを読むことにしています。今後1年間の社会の動きを予測し、備えるためです。

 2025版は、特集「2025年の争点となる3つの論点」に続き、Chapter1「日本は現状維持すら危ういのか」、Chapter2「押さえておきたいビジネスの勘所」、Chapter3「世界を巻き込む米中の対立」と、全部で22の論点を日経新聞の22人のスタッフ(論説委員等)が論じています。執筆時期は9月くらいまでなので、もしトラが現実になってしまったことなどは「危惧」の状態です。全般を通して国際情勢でこの時期に危惧されていた事項は、全て悪いほうに転がってしまったという感想を持ちました。

 冒頭の特集は、論点1「『ティア0.5』が産業の風景を変える そして、付加価値はソフトウエアに移る」、論点2「世界を巻き込む戦争の足音 中ロ朝の『枢軸』が壊す秩序」、論点3「『脱・歴史的円安』 ポストコロナ時代の新常態を探る なお残る『円弱』招く経済構造」です。

 「ティア0.5」という言葉は私は知りませんでしたが、ティアとは階層のことで、ティア0とは完成品メーカー等、ティア1はそれに部品等を供給する1次サプライヤーのことです。ティア0.5とは両者の間、又は両方にまたがって存在する存在のようです。ただし、ティア0.5が供給するのはハードウエアではなく、ソフトウエアやデジタル技術が中心です。例えば、自動車業界でもソフト開発が今後の切り札になることは確実で、ティア0.5は存在感を高めています。日本にもティア0.5の有望なスタートアップ企業等が存在するようで、期待されます。

 論点9AI時代のエネルギー戦略~脱炭素と安定供給の難路」も気にかかりました。グーグルは2030年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げていますが、24年7月に発表したところによると、同社ではこの4年間に5割増えたとのことです。生成AI、ChatGPTの一回の回答には、通常のグーグル検索の10倍の電力を消費するとのことです。デジタル化が進んでもエネルギー消費が減らず、逆に増えてしまうのであれば、地球環境の破壊を早めます。やはり、経済成長を目指す体制、資本主義を終わらせるべきなのか、考えなければならない時期かもしれません。

 今回の版も、いろいろ考えさせられました。

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