2024年の夏に表面化したコメ不足問題、政府が備蓄米の放出を始めても品不足感は解消されず、価格も一部を除き高騰したままです。政府は流通の目詰まりなどという認識を示していましたが、流通関係者の間では基本的に品不足という見方が多かったようです。特に凶作だったわけでもないのに生じたこの事態は、政府の失策であることは間違いありません。

 私も、需給計画、見通しが根本的に誤っていた、甘すぎたのだろうと思います。訪日外国人観光客が食べたために不足したなどという分析もありますが、国としてインバウンドを推進しておきながら、その分をコメの需要に盛り込んでいなかったとすればお粗末過ぎるし、また食糧問題に関してそんな綱渡りの計画で実施するなど、正気の沙汰ではありません。農林水産大臣がテレビでコメの輸入の増加に対して文句を言っていましたが、こんな事態を招いたのは農水省の責任です。私もコメの輸入増加には反対ですが、農水省は文句を言える立場ではないでしょう。

 欧米先進国の多くは、主食用食糧の輸出国です。それは、各国が万一の場合にも国民を飢えさせないために、農家への所得補償をして安い食糧を余るほど生産し、ふだんは余剰分を輸出しているからということです。それは利己的な政策だとは思いますが、せめて日本もカロリーベースで最低でも70%の自給率は確保しなければなりません。日本の経済力はジリ貧を続けており、今のように必要なだけの食糧を海外から輸入し続けられるかどうか分かりません。

 今回の「令和のコメ騒動」を教訓に、食糧安全保障を再構築しなければなりません。
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