40代の県職員時代、行政改革、組織風土改革を担当する部署に配属され、何をやったらいいのか模索するため、「エクセレントカンパニー」「ビジョナリーカンパニー」「最強組織の法則」「マネジメント」「なぜ会社は変われないのか」など組織論関係の名著を読み漁りました。あれらは、私のその後の仕事スタイルばかりでなく、生き方にも影響したと思います。

 その影響でこの種の本が好きなのです。本書がこんな一般受けしそうもない題名にもかかわらず、新聞の売れ本ランキングに載り続けていたので、読みたくなりました。

 著者は、コンサルティング会社を起業した経営コンサルタントで、特に社員のモチベーション等に焦点を当てて組織や人事管理を専門とされておられるようです。

 昨今、働き方改革、ワークライフバランス、女性活躍推進、ジョブ型雇用など、様々な言葉が叫ばれています。これらの社会的要請やバズワードという表層に振り回されず、本質をとらえて対応することを本書は説いています。

 本書は冒頭で、会社とは、組織とは、マネジメントの本質的な役割とはといった、組織論の本筋から、実務家らしく分かりやすく説明しています。次いで、ワークライフバランス、女性活躍といった流行語から、本質的な部分だけを経営に取り入れるべきことを説きます。最後の2章が「組織変革の本質」「環境変化適応の本質」です。5章全てが、「・・の本質」という標題です。

 県庁組織で37年間、その他の組織で9年間働いてきた私からみて、著者の分析、指摘は的確であると感じます。

 例えば、女性活躍はすばらしいことですが、数値目標を設定したりすると多くの弊害があることが指摘されています。無理に管理職にされた女性自身も不幸になり、周囲にも悪影響があります。全くその通りだと思います。

 「ワークライフバランス」も、例えば年収300万円の人がそのレベルでバランスのとれた状態を維持しようとすると、不況で給料が減ったり子供の成長で生活費が上昇したりした場合に危険になってしまうことは当然です。

 「キャリアデザイン」で「自分探し」に熱中するより、たまたま携わることになった仕事で「自分創り」「自分磨き」をする方がいいことも当然でしょう。

 多くの点で共感でき、参考になる本だと思います。
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