環境中のマイクロプラスチック(5ミリメートル以下)、ナノプラスチック(マイクロプラスチックのうち、1000ナノメートルまでの特に微小なもの)の問題に関心があります。政府が進めようとしているプラスチック類の再生利用は、環境中へのマイクロプラスチック放出を増やしてしまうことから、環境にいいのか疑問を持っています。
「再生プラスチックの利用促進は環境にいいのか」 参照願います。
本書の副題は、「どうするマイクロプラスチック公害」です。本の帯には、「このまま人工芝を使い続けると、環境や人々の健康にどういう影響があるのでしょうか?」という問いかけがあります。私はこれまでうっかり見過ごしていましたが、校庭や競技場に敷かれている人工芝は、確かにマイクロプラスチックの巨大な発生源であり、大きな問題です。
人工芝は、緑色の草のような部分だけが石油製品なのではなく、基礎の部分に大量のゴムチップ(これもマイクロプラスチック)等が充填されているとのことです。しかもこれは、使用によって損耗するために大量に補充し続けています。この損耗とは、雨で流れたり風で飛散したりすることです。つまり、人工芝を使用し続ける限り大量のマイクロプラスチックを環境中に放出し続けるということです。
人工芝は、製造・設置の際に大量の温室効果ガスを発生させるだけでなく、使用中にも大量のマイクロプラスチックを垂れ流し、さらに張り替えの際には処分困難な廃棄物になります。焼却しようとすれば砂などを分別して細かく裁断しなければならないので、そのまま埋立て処分されることが多いようです。
人工芝は、使用中の状態でも環境中にPFAS(ピーファス)などの人体に有害な物質を放出しています。埋立処分された後も放出し続けます。
本書には、各国での様々な研究結果が紹介されています。校庭に人工芝を敷くと怪我が減りそうですが、データによれば人工芝は逆に怪我を増やします。また、夏は天然芝と比較して地表の温度が著しく高くなるようです。熱中症の原因になります。
自治体で公園や学校の整備を担当されている方、それらの自治体で施策に関与される首長、議員さん等は、本書をご一読されることをお勧めします。
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