年末年始は、日経大予測と本書を読んで次の1年に備えることにしています。
「日経大予測2026これからの日本の論点」(日本経済新聞社)を読んで 参照願います。
今回のものは、「巻頭言スペシャル」に12論点のほか、政治、経済、アメリカ、中国、国際、社会、文化、スポーツ、皇室、生活、教育、医療、科学・AIの個別13分野に区分されて計100論点、それに昭和史研究家の保阪正康氏の戦後81年目に向けた特別寄稿が付いています。また、各分野の末尾には、コラムで「2025年のことば」が紹介されています。
日経大予測は日本経済新聞社のスタッフらが執筆していますが、本書は各分野の著名な専門家が執筆しています。特に、巻頭言は、「西洋の敗北」の著者のエマニュエル・トッド氏、「世界秩序が変わるとき」の齋藤ジン氏、国際刑事裁判所長の赤根智子氏、楽天グループ会長の三木谷浩史氏、「これからの「正義」の話をしよう」のマイケル・サンデル氏らそうそうたるメンバーが執筆陣です。
巻頭言のトップは、サンデル氏の「「西洋の敗北」とは何か」です。ウクライナの戦争の現状について、共にロシアと対峙してきた米国、欧州、ウクライナが敗北の責任を互いになすりつけ合っていると評しています。また、敗者の一員である米国が仲裁者のように振舞っていることを「茶番」と断じています。
同じく巻頭言の「日本外交には「戦略的思考」が必要だ」では、前駐中国大使の垂秀夫氏が米国と中国の対立の中で長期的視野に立った戦略的思考の必要性を述べています。その中で例に挙げている毛沢東のエピソードが興味深いものでした。毛沢東は中国共産党が国民党軍に追い詰められて壊滅寸前の時、「抗日救国」のスローガンを掲げ、「721指針」を出しました。「共産党軍の兵力の1割だけが日本軍と戦い、2割は国民党とともに戦ったふりを行い、そして残りの7割は温存して農村で根拠地を拡大せよ」というものです。彼は戦後、日本に対する感謝の言葉を何度も述べていますが、今の中国の人々はそんな事実を知らされていないでしょう。
巻頭言には、その他に、新自由主義からの転換の問題、令和の米騒動、国際刑事裁判所の危機、参政党躍進の分析等が論じられています。
その他、水道代格差の問題、インフラの維持の困難性、外国人排斥で生ずる問題、デジタル教科書の普及による学力低下、抹茶不足、東大にデザイン学部ができること、近視治療用のコンタクトレンズやメガネができていること等、現在起こっている様々なことに関する知識を得ることができました。
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