著者は1935年生まれ、90歳の今も高齢者施設に勤務する現役の医師です。東京大学医学部老年病学教室の教授や日本老年医学会理事長を務められるなど、日本の老年医療を切り拓いてこられた方です。特に、カルシウム代謝や骨粗しょう症などがご専門とのことです。

 本書の表紙カバーの折込部分には、「75歳を過ぎたら好きなことをする。細かいことはほうっておく。血糖値も血圧も肥満も気にしない。でも骨だけは大切に。」と書かれています。これが、本書に書かれていることをコンパクトに要約しています。

 年を取るにつれて身体機能がゆっくりと坂を下るように低下していくというイメージを持つ人が多いのですが、そうではないようです。ある時期にガクッと落ちる人が多いとのことです。身体機能の衰えや病気のなりやすさが大きく変わる明確な節目がある人が多く、その節目が75歳ころです。例えば、糖尿病に伴う高血糖は、65~74歳では心臓や血管の病気による死亡リスクを高めますが、75歳以上になると高血糖に起因する死亡リスクは低くなるとのことです。

 骨粗しょう症でも65~74歳では手首、上腕部、背骨などの骨折が多く、75歳以上になると大腿骨付近の骨折が急激に増加するとのことです。

 肥満のリスクも高脂血症に伴なうリスクも、75歳を過ぎると若いころとは異なったものになり、むしろ低栄養でやせている方が危険のようです。

 また、カルシウムが不足すると、骨折しやすくなるばかりでなく、身体にさまざまな悪影響が生じ、死亡リスクが高くなるので、骨にだけは注意するよう勧められています。

 本書には、「若さと健康を保つための10の秘訣」も列挙、解説してあります。私は、そのうちの、③適当に仕事をする、④エスカレーターやエレベーターは使わない、⑩適度な運動・・・等は、私は実践できていると思いますが、①手抜きしないでおしゃれする、などは全くできていません。
 今はまだ元気に歩き回っていますが、本書を読んで、いつかガクッと衰える日が来るだろうという心の準備ができました。
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