この著者の著作は私も過去に何冊も拝読し、このブログでも紹介しています。我々が日ごろ接している西側のマスコミとは異なる視点が多く、分析も的確で、興味深いのです。
「西洋の敗北」(エマニュエル・トッド)を読んで 参照願います。
本書は、2025年9月に刊行されていますが、2024年に刊行された「西洋の敗北」を踏まえ、過去の文藝春秋に掲載されたインタビュー記事等をまとめたものです。
本書の話題の中心は、米国の覇権の終焉、ウクライナ戦争の行方、イスラエル問題、それらの中で日本はどうすべきか等です。
イスラエル問題の中では、2025年6月のイスラエル、米国によるイランへの攻撃が最新の話題として取り上げられており、その中で予測されていたことが、すでに的中しつつあります。スンニ派のアラブ系諸国は社会体制から「国家」が弱く、リビアにしろイラクにしろカダフィーの死やサダム・フセインの軍事的敗北によってすぐに国家体制が崩壊しました。しかし著者は、シーア派のペルシア系であるイランは全く社会体制が異なるので、「仮に」ハメネイ師が暗殺されてもイランの国家体制が崩壊することなどあり得ないと主張されています。その予測が正しかったことは、2026年2月28日に再びイラン攻撃を始めてハメネイ師を暗殺したトランプが今、身に染みて感じていることでしょう。
著者は極めて親日的で、日本に親切な助言をしてくださっています。
「現状で私がお勧めしたいのは、欧州と米国のヒステリーに極力関わらず、何もせずに静観すること、しかし密かに核武装を進めることです。」
日本が核攻撃を受けても米国が守ってくれるはずがないのは、私も同感です。核を持つことにより、自立ができ、米国の戦争に巻き込まれる恐れがなくなるという主張は説得力があり、日本にとって最善なような気もします。
米国でも、アジアにおける中国の覇権を阻止するために、日本、韓国、台湾、オーストラリアなどの核保有を容認すべきだという意見もあるとのことです。それは、私は初めて知りました。
「西洋の敗北」は世界25か国で翻訳(予定を含む)され、ベストセラーになっていますが、英語版はないとのことです。英米にとっては、あまりにも不都合すぎる真実だからという著者の推測は、正しいと思います。
日本や世界の今後を考えるうえで、必読だと思います。
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