こんなに熱中した小説は久しぶりでした。しかも超長編なので、何か月もこの本が生活の中心になっています。

 本書は、2013年9月から小説投稿サイト「小説家になろう」に連載投稿され、その後マンガやアニメにもなって、原作のラノベとともに人気を集めています。

 ラノベは、1部「兵士の娘」から第5部「女神の化身」で本編は一応完結しますが、各部は400ページ弱の巻が複数(例えば第5部は12巻まで)あり、全部で33巻もあります。その他に、「外伝」「短編集」等もあり、膨大です。

 さらに、「ファンブック」の中で、読者の疑問に作者が答える形で本編には描かれなかったストーリーが明かされることまであります。すべてを把握するのは、なかなか大変です。

 ストーリーは、現代日本で図書館の司書になろうとしていた女子大生が、中世的な世界に転生して活躍するものです。その世界は、平民は我々と同じ普通の人間ですが、貴族だけは魔力を持ち、魔術が使える世界です。そこに、ヒロインは、現代日本人の知識、記憶と膨大な魔力を持つ虚弱な少女として転生します。羊皮紙の他に紙はなく、文字を読める人も少ない世界で、本を作ろうと奮闘します。

 本編の中でも、各巻の始めや末尾の方に、「エピローグ」「プロローグ」としてヒロイン以外の登場人物の視点から語られる部分もあり、重層的な構成になっています。

 ヒロインの後見人フェルディナンドが異郷で敵の毒に倒れ、ヒロインが救出に向かう辺りからの展開には、年甲斐もなく血沸き肉躍る思いをしました。作者のストーリー構想力に脱帽です。
 本書は、何度も繰り返して読んで楽しめる本です。私はまず図書館で借りて読み、次にWebで読みました。その後も図書館から繰り返し借りていますが、今度は自分で購入し、老後の楽しみにしようと思います。才能ある若い作家のおかげで、老後も退屈している暇はなさそうです。
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