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 自民党が、憲法改正論議を加速させています。

 私も、憲法改正の必要性自体は認めていますが、現時点で、現状の日米安保体制のままで改正することは、意味がないどころか悪影響があると思っています。

 宿題の工作や自由研究が間に合わなかった小学生が、やっつけ仕事でいいかげんな作品をでっちあげて提出するようなものです。

 

主権国家とは思えない砂川判決

 いわゆる砂川判決は、米国軍隊の駐留について、昭和34年に最高裁大法廷で下された判決です。今でも、憲法問題が議論されるときに頻繁に言及されます。60年も前の判決ですが、基本的な状況は変わっていないからです。

この判決の中で、次のことを判示しています。自衛権の有無等の問題は、ここでの議論に直接関係しないので、省きます。

(1) 安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、違憲であるか否かの法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査には原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。

(2) 安保条約(またはこれに基く政府の行為)が違憲であるか否かが、本件のように(行政協定に伴う刑事特別法第二条が違憲であるか否かの)前提問題となつている場合においても、これに対する司法裁判所の審査権は前項と同様である。

 

 要約すると、安保条約やそれに付随する米国との行政協定は、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係があるから、憲法に違反するか否かという司法審査の範囲外だということです。つまり、安保体制は、憲法よりも上位に位置するということです。これでは、占領の継続と同じであり、主権国家を名乗るのは、恥ずかしい感じです。

 この判決については、当時のアメリカの駐日大使などが、日本政府や最高裁に圧力をかけたことが判明しています。

 現行の日本国憲法は、安保体制の下位に立つ程度のものだから、現政権などは憲法を無視して政策を進めているのでしょう。

 

 私は、占領が継続しているようなこのような安保体制の下で憲法改正を行うべきではないと考えています。

 国内に外国の軍隊が駐留している間は憲法改正はできない、または、そういう状態で制定された憲法は無効だという考えも、世界の憲法では多いようです。当然のことだと思います。

 

「基地権」「指揮権」を取り戻してから

 私は、日米安保条約そのものをなくしてしまえと主張しているのではありません。現在、密約が明らかになっている「米軍は日本国内のどこにでも基地を作ることができる権利」と「いざという場合には米軍司令官が自衛隊の指揮をする権利」などを見直し、主権国家としての地位を取り戻してからにすべきだという意見です。

 主権国家としての地位が確立していない状態で憲法を改正しても、安保条約は審査の対象外となってしまうのでは、従来と同じことです。

 ドイツやフィリピンは、ちゃんと主権を回復しているので、日本もできないことはないと思います。従来の政権が、面倒なことを避けてきただけでしょう。

 

「自民党の結党以来の悲願」とは

 憲法改正は自民党結党以来の悲願であるという声も聞こえてきます。そうなのかもしれません。しかし、それは、主権国家としての地位を回復して晴れて自主憲法を制定することが悲願なのであって、根本に手を付けないまま小手先の改正をするのが悲願だったとは思えません

 

 見せかけの愛国、保守ではなく、真の保守政治に立ち戻っていただきたいと思います。


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