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 題名を見れば想像がつく通り、21世紀の資本」の内容に呼応するものです。著者は、不平等の問題を主に取り組んでおられる著名な経済学者で、本書の序文は、「21世紀の資本」の著者、トマ・ピケティ氏が書いておられます。

 だから、日本でも進みつつある所得や財産の不平等、格差の問題に関心のある方には、一読をお勧めいたします。ただし、正直に言って、非常に読みにくく、読み進めるには多少の忍耐が必要です。この辺は、「21世紀の資本」も同様です。

 特に第1部が学術的な内容が多く、読み進めるのが苦痛ですが、第2部以降は、実践的な話が多くなり、興味を持って読み進められます。私は、所得や資産の格差が広がりつつあり、そのことはこれからの社会に大きな問題であることに同意できる人は、1部は読み飛ばし、第2部「行動のための提案」から読んでもいいのではないかと思います。

 

 第2部には、いろいろ興味深いことが書かれています。

 私は、外国の事情に詳しくなかったのですが、EU諸国も、労働組合の組織率が近年著しく低下し、社会への影響力を失っているとのことです。また、非正規雇用の割合も著しく増加しているとのこと。日本と同じような問題を抱えています。

 

 格差を広げないための対策として、最も興味をひかれた一つだけ紹介いたします。

 法定の最低賃金のほかに、倫理的な賃金ルールを各企業が持つことを社会が奨励するという手法です。例えば、「経営トップの役員報酬と、最も賃金の安い社員の給与との格差は、10倍を超えてはならない」とか、「経営トップの報酬は、社員の平均給与の7倍を超えてはならない」というルールを企業が決めておくということです。既に実践している企業もかなりあるとのことです。

 さらに、政府や地方公共団体の調達で、そういう企業を優遇するなど、社会が支援することで、広げていくわけです。

 

 おもしろいのではないかと思いました。

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