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 61日に、注目されていた最高裁の判決が二つ示されました。

 一つは、非正規雇用の労働者について、正規労働者との処遇の違いがどこまでが合理的とされ、どこからが不合理で違憲とされるかという問題でした。

 もう一つは、定年後の再雇用の社員についてどの程度までの処遇の差が許されるかという問題で、私はどちらかというとこちらの方を注視していました。

 「定年再雇用後の給与 最高裁の判断は?」

 

再雇用に厳格な「平等主義」は採らず

 最高裁は、日本の現状を追認し、欧米諸国のような厳格な年齢差別禁止を採らないことを明確に示しました。つまり、定年後再雇用者と正社員との格差を一部(かなり)容認しました。

 当該会社が、定年後の再雇用について、①再雇用の嘱託社員と正規社員では賃金体系が異なる②定年時に退職金を支払っている、③年金受給前は調整給を支給する、④年収が定年前の79%程度になるように配慮されている、等の事情を考慮し、再雇用後の賃金引き下げや「職務給」「賞与」を支払わないことを不合理とは言えないとしました。

 一方、休日を除く全ての日に出勤した者に支給される精勤手当は、嘱託社員に支払われないのは不合理で違法としました。

 

非正規、正規の格差にはかなり厳しく

 契約社員への各種手当の不支給を巡る訴訟では、最高裁は、当該運送会社が正社員にのみ支給していた6種の手当について、種類ごとに趣旨を個別に考慮し、「通勤手当」「給食手当」「無事故手当」「作業手当」「皆勤手当」の5種類の不支給を不合理としました。

 

地方公共団体も対応を迫られる?

 地方公共団体も、今後、一般の非常勤職員、定年停職者の再任用職員、再雇用職員の処遇について、見直しを迫られるかもしれません。

 例えば、現在の非常勤職員には期末手当も勤勉手当も支給されていません。新たに設けられる会計年度任用職員も、期末手当は支給されることになっていますが、勤勉手当は対象外のようです。それが、合理的なのかどうか考える必要があるかもしれません。

 また、定年後の再任用職員、再雇用職員は、今回判決があった会社よりも格差は大きいと思います。多くの場合は職務内容が変わるので直接の比較はできませんが、まれに、同じ役職のまま再任用になる場合もあります。また、地方公共団体では、年金支給開始前だからといって調整給の支給もありません。

 

 住居手当は、正社員は転居を伴う異動があるからなどの理由で、正社員だけに支給することも不合理ではないという判断です。転居を伴う異動などのない市町村役場では、どんな判断になるのか、検討の必要があるかもしれません。

 

 私の自治体でも、判決を精査して検討してみたいと思います。


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