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 日大アメフト部の事件について、大学理事長ら当局のやることは、すごく不合理に見えます。理事会が速やかに調査して対応しないこと、内田前監督について全ての職から解任しないこと、理事長が記者会見しないことなど、わざわざ問題を大きくしているようで、不合理です。

 しかし、理事長などの立場に立ってみると、その時々の判断には、合理性があるようにも思えます。

 

理事長を表に出すのは最後の最後

 理事長が記者会見を行えば、その時に発表する内容がどんなものであろうと、暴力団との交際について質問されることは明らかです。写真もあり、過去に調査した記録もあり、交際を否定することはできないでしょう。そうなると、学校法人の理事長としては致命的に不適格であることが白日の下にさらされてしまいます。結局、大学の評判を地に落とした末に辞任せざるを得ないことになるでしょう。

 大学当局、理事長としては、世間の関心が薄れるかもしれないという一縷の望みにすがって、ひたすら引き延ばしを図るという行動も合理的かもしれません。

 

前監督を切り捨てられない

 大学が、あの悪質な反則を監督らが指示したものだと認定すれば、前監督らの辞任を認めるのではなく、全役職から解任(懲戒解雇)せざるを得ないでしょう。そうなった場合、理事長の懐刀として大学や理事長の暗部を熟知している前監督が、どんな反撃に出てくるか予測ができません。

 最終的には前監督を切り捨てなければならない可能性は考えているでしょうが、このような危険があるので、なるべく引き延ばし、世間の関心が薄れることに期待せざるを得ないのかもしれません。

 

第三者委員会の結論も早くはできない

 第三者委員会を設置したこと自体が引き延ばし策なのでしょう。外部の機関である関東学生連盟が結論を出した後になって、大学の「第三者委員会」で調査してもほとんど無意味だと思います。

 学生連盟と異なる結論を出せば、世間からは身内の組織防衛と疑われ、信じてもらえないでしょう。そもそも、選手らに聴取すればすぐに分かることを2か月もかけて調査する意味がありません。

 唯一、意味があるとすれば、日大アメフト部がなぜ勝利至上主義に陥ってしまったのか、日大の組織にどのような問題があったのかという根本原因を解明することだと思います。それならば2か月かかるかもしれません。しかし、それであれば、あのタックルが監督やコーチの指示で行われたことはすぐ分かるでしょうから、それを中間報告等の形で発表した上で、根本原因に切り込むべきでしょう。

 被害を受けた関西学院大学側に事情聴取するなどは見当違いです。

 公表時期を少しでも遅らせようとするのは、やはり世間の関心が薄れるのに期待しているのでしょう。結果を公表すれば、その対応について理事長が記者会見することを求められるので、それを避けたいのでしょう。

 

 組織内に弱み、暗部を抱えていると、どんなに危機管理を的確にやろうとしても、手足を縛られているようで、うまくいかないでしょう。組織内に後ろ暗い部分を存在させないことが、最大の危機管理だと思います。

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