ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 社会人の基礎知識 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

カテゴリ: 社会人の基礎知識

 2024年3月から「戸籍の広域交付制度」が始まりました。私はこの制度の開始のニュースを見逃していたようで、知らなかったのですが、市役所の窓口で教えていただき、早速恩恵にあずかりました。

 この制度は、最寄りの市区町村役場で、他の市区町村の戸籍謄本であっても、一括して取得することができるものです。この「一括して」というのが、特に相続手続の際、とても便利です。

 例えば、親が亡くなると、相続手続のため、故人が生まれてから死亡までの連続した戸籍の謄抄本が必要になります。手続をしようとする相続人の住所と同じ市町村に本籍がずっとあればいいのですが、結婚などのタイミングで本籍が別の市町村に移ったりしていると、前の市町村からも取り寄せる必要があります。通常、生まれてから死亡するまで3、4回は戸籍が変わります。様式変更があって「改製」されたりもしています。それを順次遡りながら郵送で請求するのは大変な手間でした。

 それが、「広域交付制度」により本籍地が遠方であっても、自身の住所地など最寄りの市区町村役場で必要な戸籍謄本をすべて取得でき、かなり負担が軽減されることになりました。また、亡くなった人が出生時から本籍地を何度も変更している場合、最後の本籍地にまず死亡時の戸籍謄本を請求して、取り寄せた戸籍謄本からその本籍地の前はどこに本籍地を置いていたかを確認して、その本籍地が遠方であれば、さらに郵送でその管轄の役所に請求し、出生時の戸籍謄本を取得できるまで同じ作業を繰り返さなければなりませんでした。

 郵送で請求する場合、手数料は定額小為替などを同封する必要がありますが、そもそも戸籍が何回変わっているのか分からず、何通分の料金を同封すればいいのか不明なので、かなり多めに入れることもありました。

コンビニ交付より便利だ

 マイナンバーカードを使ってコンビニで遠隔地の戸籍を取り寄せることは従来から可能でした。しかし、その手続は、戸籍筆頭者等を特定しなければいけません。したがって、一括して請求することはできず、一つずつ遡って請求しなければなりません。

 この広域交付制度のほうが、ずっと便利です。

 この制度には、いろいろ制約があり、親や祖父母の戸籍は請求できますが、兄弟の分はダメとのことです。また、代理請求もできません。それでも大部分の相続はこの制度で対応可能と思われます。法務省の戸籍情報連携システムを利用した仕組とのことですが、電子政府の目に見える成果だと思います。

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 年次有給休暇の付与日、基準日は、一般には公務員も民間企業も4月1日にすることが合理的です。私が勤務している会社では、就業規則を改正して、従来は1月1日としていた基準日を4月1日に移行しましたが、その経験を綴っています。

 「年次有給休暇の基準日を合理的に 1」

 「年次有給休暇の基準日を合理的に 2」 参照願います。

 

義務5日分の扱い

 我が社では、2024年1月1日に社員に年休を付与し、その後2月に就業規則を改正して基準日を4月1日にしたので、4月1日にも付与します。これは、2025年1月に付与するはずだった分の前倒しです。10日以上の年休を付与された社員には付与日から1年以内に最低5日の年休を取得させなければなりませんが、2024年1月から1年間と同年4月から1年間の二つの期間が重なってしまいます。

 このような場合、義務5日分の扱いは2通りの手法があります。

 一つは、2024年1月から2025年3月末までの15か月間に7日(5日×15月/12月、切り上げ)の取得を義務付けるやり方です。もう一つは、2024年1月からの1年間と同年4月からの1年間のいずれも5日以上の年休取得を義務付ける手法です。この場合、2024年4月から12月の間に5日取得すれば、それだけで両方クリアできます。

 どちらの手法も認められますが、前者で実施する団体が多いようです。我が社もそちらを選び、前回のブログ「・・・合理的に 2」で紹介した改正附則の条項の次の項に「第〇条第〇項の規程により時季を指定して社員に取得させる年次有給休暇の日数は、令和6年1月1日から令和7年3月31日までの15か月間に限り7日とする。」と定めました。

 

違法な移行措置をする自治体もある

 当社で基準日を移行するに際し、ネット等で先行事例を調査しました。

 基準日を4月1日に移動した自治体の中には、3か月分を按分して付与したり、前の基準日から15か月後を次の基準日にしたりするケースもあるようでした。これらは、民間企業がやれば違法なので、地方自治体がやっても違法でしょう。

 条例で定めれば違法ではないというのは誤りです。労働基準法は国家公務員は除外されていますが、地方公務員には一部の条項を除いて原則として適用され、条例も法律に従って制定しなければなりません。ただ、現業以外の地方公務員は労働基準監督署が監督せず、人事委員会や首長が監督することになっているため見過ごされているだけです。

 「地方公務員と労働法制」 参照願います。

 

 合理的な制度に移行するのも、適法に実施しなければなりません。

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 私が勤めている会社では、年次有給休暇を付与する日、基準日を正社員については1月1日としていました。契約社員については、年度単位の雇用としているため、4月1日です。

 1月1日の基準日はいろいろ不都合があるので、今年度(2023年度)中に制度改正をして4月1日に統一するべく、就業規則を改正しました。

 「年次有給休暇の基準日を合理的に 1」  参照願います。

 

移行措置の検討

 労働基準法には基準日を統一する手続きも、一度決めたその基準日を移動する手続きも規定されていません。しかし、厚生労働省の通達で基準日を統一する際の守るべき事項を2つ定めています。

 一つは統一するために基準日を繰り上げるに際し、短縮した期間は全期間出勤したとみなして出勤率を算定すること、もう一つは次年度以降の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じかそれ以上の期間、繰り上げることです。労働者に不利益な変更は絶対に認められないので、この2条件は妥当なものでしょう。この条件は、基準日を移動する際にも同様に適用されると解されています。

 また、基準日(付与日)を繰り下げて前回の基準日から1年を超える日にしたり、期間を短縮する際に短縮期間に応じて按分した日数を付与するなども、労働者に不利になる部分があるので、当然違法です。

 したがって、それらの条件を全て満たす基準日変更の手続きは、基準日を前倒しすることしか考えられません。Web上でいろいろな専門家が解説しているのも、私が探した限りでは全てこの方法です。我が社も、その方法で実施することにしました。

 

具体的対応

 2024年1月1日の従来の基準日には、既に在職期間の長い社員には20日付与してあります。2024年4月1日にも20日付与します。これは、改正しなければ2025年1月に付与するはずの分の前倒しです。その後、毎年4月1日の基準日に付与していきます。

 就業規則の改正自体は簡単です。1月1日が基準日と定めているのを4月1日に改めるだけです。社員に分かりやすくするため、念のため、改正附則で、経過措置として、「改正後の最初の基準日である令和6年4月1日には、改正前の規則で令和7年1月1日を基準として付与すべきであった日数を前倒しで付与し、その後も毎年4月1日を基準として付与する。」等と定めました。

 

今後の注意点

 年次有給休暇は2年の時効で消滅するため、通常は繰越分は20日が上限です。当年付与分と合わせて、年間40日になります。しかし、この移行措置を実施している間は、繰越分だけで最大40日になる可能性があります。我が社の例で言えば、2024年4月1日には20日付与しますが、その時点では2023年1月に付与した分も2024年1月に付与した分も時効で消滅しないので、使用していなければ繰越分だけで40日になります。

 残さずに使おうとする社員は少ないと思いますが、いても非難はできません。
 また、移行期間中、繰越日数の管理に注意しなければなりません。でも、なるべく早く実施したほうがいいでしょう。
 残る問題や自治体独特の問題などについては、近く別稿で綴る予定にします。
 「年次有給休暇の基準日を合理的に3」 に続く

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 年次有給休暇を付与する日、基準日は、公務員(正規)については1月1日が一般的ですが、これは国家公務員に合わせたものでしょう。一方、民間企業では、4月1日とするところが多いようです。私が勤務している会社では、従来は1月1日でしたが、就業規則を改正し、4月1日に変更しました。

 

そもそも「基準日」は

 そもそも労働基準法では、雇入れの日から6か月継続して勤務し、その期間の出勤率が8割以上の労働者に10日付与し、その後1年を経過するごとに11日、12日と付与することが雇い主に課せられた義務です。その場合、雇用開始の日に応じて労働者一人一人の基準日が異なってしまい、管理が大変なので、斉一的(統一的)な基準日を就業規則や条例で定めることができます。それが公務員(正規)の場合は1月1日が多く、民間は4月1日が多いのです。公務員も、正規職員は1月1日が基準日ですが、会計年度任用職員などはその性格上4月1日とされているところがほとんどでしょう。

 

どっちが合理的?

 公務員の基準日が1月になっている理由、経緯は知りませんが、どう考えても現在の社会では4月1日とするのが合理的でしょう。

 学校の卒業式はほとんど3月であり、それに合わせて新卒者の一斉採用も官民問わず4月1日がほとんどです。人事異動も、それに合わせて4月1日を基本とする組織が主流です。業務の都合上、税務職員のように7月ころの異動が多い職場もありますが・・・。

 年休を計画的に取得しようと思っても、人事異動があれば異動先の職場の業務スケジュールが分かるまで計画の立てようがありません。つまり、1月に年休が付与されても4月の異動をみるまでは計画が立てられません
 定年退職を該当年齢の年度末日(3月31日)としている自治体が主流ですが、1月に付与された20日と繰越分の20日を全て3月末までに消化して退職しようとする職員もいます。その職員を非難することはできませんが、私の経験では、業務に支障が生じていたことも事実です。

 また、正規職員とその他の職員で基準日が異なるのも面倒です。

 

 どう考えても4月1日が合理的なのに、いつまでも1月1日のままに放置しておくのは怠慢というべきでしょう。
 長くなったので、基準日変更に際して我が社の具体的な対応等は近いうちに別稿で説明させていただきます。
 「年次有給休暇の基準日を合理的に2」 に続く

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 パート労働者の年収が一定額に達すると社会保険料の負担が生じて手取りが減る等のため、特に年末に主婦が就労調整をして企業が労働力不足に陥る「年収の壁」といわれる問題があります。6月30日、そのことを巡る政府の対策パッケージの原案が一部で報じられました。

 その内容は、年末の繁忙期を念頭に年収130万円を超えても一時的な収入増であれば保険料負担のない扶養にとどまる場合があると明示することが一つ、もう一つは年収106万円を超えて社会保険料が発生しても手取りが減らないよう労働時間を延ばした企業には1人当たり最大50万円を助成することのようです。3年程度の時限措置で、財源は雇用保険料を予定しています。

 政府は、この対策がその場しのぎのものであることを自覚しており、今後、壁を意識せず希望の時間だけ働ける抜本改革にも着手することになっているようです。

 

「扶養」は不公平な制度

 社会保険の「扶養」制度は、不公平で容認できない制度です。子供や高齢者、障がい者を扶養しているなら、社会全体または被保険者全体で負担することも理解できますが、生産年齢の主婦や主夫が負担すべき保険料を他の被保険者に負担させるのは、理解できません

 「扶養」などという制度は国民健康保険や後期高齢者医療保険にはなく、協会けんぽなどの被用者保険に特有の制度です。国保などでやっていることを被用者保険でやれないはずはありません。

 「年収の壁」問題は、社会保険の「扶養」の原則廃止や、所得税・住民税の配偶者控除の廃止で解決すべき問題です。

 低賃金になってしまった日本では一人分の収入では子育てに不安がある若者が多いでしょう。でも2人分なら不安はかなり減るでしょう。北欧諸国のような、共働きが当たり前の社会、共働きでも育児に困らない社会を早急に実現することが、少子化、労働力不足による日本の衰退を食い止めるための第一歩だと思います。
 場当たり的な施策でつなぐだけでなく、抜本的な対策が急がれます。

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