ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> アンデシュ・ハンセン : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:アンデシュ・ハンセン

 スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏の「スマホ脳」は世界中でベストセラーになりました。本書は、それを児童文学作家のマッツ・ヴェンブラード氏と共著で、中高生向けに分かりやすくしたもののようです。スウェーデンでは、本書と「最強脳」を学校で無料配布するプロジェクトが進んでいるそうです。やはり、進んだ国です。

 私は、この著者の「運動脳」を読んでこの脳科学の分野に関心を持ったので、他の著作も読もうと思って、まず本書を手に取りました。

 「運動脳」(アンデシュ・ハンセン)を読んで 参照願います。

 

 私たち人類は、サバンナで狩猟採集生活をしていた期間が長く、それと比較すると農耕生活以後の歴史はほんの一瞬です。だから、私たちの脳は、遺伝的にサバンナでの生活に最適化され、今もそのままです。そのために、現代の生活には様々な不都合も生じます。

 本書は、なぜ我々がスマホにのめり込んでしまうのか、どのように対処すればいいのかについて、サバンナ脳の特性から解き明かしています。

 脳は、我々がサバンナで生き残る可能性が高くなるような行動をすると、報酬としてドーパミンという快楽物質を放出します。新しい場所に行ったり新しい経験をしたりすることは、食糧を得やすくなったり危険な場所を知ったりできるので、ドーパミンが放出されます。だから、スマホで次々に新しいページやアプリをクリックした時にもドーパミンが放出されます。また、脳が活動するには膨大なエネルギーが必要なので、なるべく無駄を省こうとします。そして、最も省エネでドーパミンを出してくれるのがスマホなので、スマホにはまってしまうのです。

 さらに、人間は社会的動物で、群れから離れては生きていけません。また、生き残るには、誰が敵で誰が味方か知らなければなりません。だから、グループを作ったり、人のうわさ話をしてもドーパミンが放出されます。スマホにはまってしまうわけです。

 

 スマホ依存の原因と対処法のほか、興味深いデータもいくつか示されています。同じ文章を「紙で読む」のと「スクリーンで読む」のとでは、どちらが内容をよく覚えているかというノルウェーでの実験では、紙の方がよく覚えているとのことです。これは、私も実感しています。ネットで調べ物をしていても、少し長い複雑な文章になると、プリントアウトしてマーカーをしながら読まないと頭に入りません。

 

 米国の研究によると、スマホが普及した2012年頃から、若者の行動が著しく変化したとのことです。若者が、今までやっていたことをやめて、スマホにばかり時間を使うようになったようです。私も、一日のうちのかなりの時間をパソコンやスマホに触っています。私は歩きスマホはしませんが、街ではいい大人がスマホをしながら前を見ずに歩いていて、危なくて仕方ありません。スマホは、既になくてはならないものになってしまいましたが、依存症には気を付けなければ・・・。

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 「新版・一流の頭脳」という副題が付いています。表紙カバーの織り込まれた部分には「生物学的には、私たちの脳と身体は今もサバンナにいる。私たちは本来、狩猟採集民なのである。」と書かれています。

 人類は、誕生してからほとんどの期間を狩猟採集民として代を重ね、農耕が始まったのもつい最近であるため、私たちの遺伝子は、脳や身体を狩猟採集に適した姿に作るよう設計されています。たくさん歩いたり走ったりするとより多くの食料を得られるため、より活動的な者だけが子孫を残し、生き残ってきたようです。

 移動する生物だけに脳があり、多く移動する動物ほど脳が大きくなります。人間も、運動をするとご褒美として脳内に快楽のホルモンが分泌されて快感を得られるほか、BDNFという物質が脳内に生成されてそれが脳を活性化させ、成長させるとのことです。

 著者は、スウェーデンの著名な精神科医で、本書は多くの新しい脳科学研究の成果が紹介されています。

 

 私たちは、危険を感じ、ストレスを受けると、闘争又は逃走に備え、偏桃体からコルチゾールというホルモンが分泌され、心拍数が上がって緊張状態になります。その状態が長く続くと、海馬の細胞が死に、海馬が萎縮してしまいます。記憶の中枢である海馬が萎縮すると、物忘れがひどくなります。歩いたり走ったりするとコルチゾールが抑制され、海馬の萎縮を防ぎます。つまり、運動がストレスから身を守ります。

 また、コルチゾールには脂肪の燃焼を妨げる効果があるので、血中のコルチゾール濃度が増えると、腹部に脂肪が溜まり、その上、食欲が増進して高カロリーのものを食べたくなるとのことです。運動によってコルチゾールを抑制すると、これらを防ぐこともできます。

 

 ストレスを抑えるほか、集中力を高める、記憶力を高める、アイディアを取り出す、学力を高めるにも、ウォーキング、ランニングなどの運動が効くことが実験の結果で判明しています。

 どのような運動が最も効果があるか、目的によって多少違いがあるようですが、いずれもあまり激しい運動でなくても効果があるようです。ただ、激しい運動をするとBDNFの生成量が大幅に増えるので、長期的に見れば負荷の大きい運動をすればそれだけの効果は期待できるようです。

 

 本書を読み、運動を続けていれば高齢になっても脳を衰えさせず、さらに脳細胞を増やすこともできることを知りました。これを読んだ以上、記憶の衰えを年齢のせいにはできません

 年を取って脳の衰えを感じている人、ストレスを抱えている人、もっと頭を良くしたい人は、本書が参考になるかもしれません。

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