「ザ・ゴール」の著者として有名なエリヤフ・ゴールドラット博士の著作に、「チェンジ・ザ・ルール!」があります。20年ほど前、組織経営改革担当の部署に配属され、ビジネス書を乱読していた時期に読みました。博士の一連の著作と同様、TOC(制約性の理論)をストーリーの中で解説するビジネス小説です。
企業が何億もかけてコンピュータのシステムを導入しても利益が上がらない原因は、迅速に処理できるようになったのに、発注のタイミング等の仕事のやり方を変えないせいだったという教訓だったと記憶しています。今度、読み直してみようと思います。
今回、あの小説を思い出したきっかけは、時間外勤務の端数処理に疑問を感じたことです。
時間外勤務の端数時間の処理
時間外勤務手当等の計算については、時間数を分単位で集計し、1か月の合計について、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げるという処理が一般的です。役所ばかりでなく、民間企業の多くも同様です。
実態としては時間外勤務の申請等は30分単位で行う人が多く、30分未満の端数が生じることは少ない職場も多いと思います。しかし、30分未満の端数が生じてしまうこともあり、それを切り捨てることは労働基準法違反ではないかという疑念があります。
しかし、このやり方は、昭和63年3月14日基発第150号という厚生省の通達で事務を簡便にするために認められているため、広く行われています。労働者の権利の切り捨てを容認するこんなことを、通達(「法令」ではない)などで決めていいのかという根本的な問題がまずあります。裁判所が判断すれば、否定されるかもしれません。
根本的問題はさておき、今の技術の下、端数切り捨てなどする必要があるのかという点が気になりました。昭和63年3月ころは、まだ事務室にパソコンがあまり普及していない時代でした。当時の普通の電卓で、分単位まで時間と金額の計算をするのは大変だったでしょう。あのような便宜的なやり方を認めざるを得なかった事情は理解できます。
しかし今は、〇時間△分と入力して時間当たりの単価をかけて金額を求めるシステムなど、エクセルでも簡単にできます。今の時代、あのような適法性に疑問があるような便法を使うべき理由はありません。
昔の技術に対応した古いルールを見直せば、生産性も上がるというのが「チェンジ・ザ・ルール!」の教えです。お忙しいのは承知していますが、見直してみませんか?
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