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 トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との会談について、成功だという人と米国にとって失敗だったという人に意見が分かれています。金正恩にとっては成功だったことについては、異論はほとんどないようです。金正恩は、滅亡のふちに立っていたのが、当面の危機が回避されたのですから、大成功です。しかも、非核化の具体的なスケジュールさえ示さずに済んでいるのです。さらに、トランプ大統領が、米韓軍事演習の中止というおまけまで付けてくれました。

 

米国についての成果はまだ不明、不利益は明確

 北朝鮮は、これまでに何度も非核化を約束し、援助だけ引き出して、約束を反故にしています。具体的に、後戻りのできない非核化が行われるまでは、成果が分かりません。

 非核化の具体的なスケジュールに着手されなければ制裁措置の緩和を一切行わないとしても、それでは米国の完敗です。北朝鮮に、核・ミサイル開発の時間稼ぎをさせてしまったことになるからです。

 一連のどさくさの中で金正恩が中国、ロシアと接近してしまったことも、米国、日本にとっては、マイナスです。

 非核化が実現しなければ、米朝会談は行わない方がよかったことになります。

 

 今はまだ、米国、日本や世界にとって成功だったのか失敗だったのか、判断できない状態なのだと思います。

 

派生的な迷惑事象

 一連のごたごたから派生した困った現象があります。

 会談が決まった後、金正恩が図に乗って強気に米国を挑発しました。それに対して、トランプ大統領は金正恩に書簡を送り、会談の中止を通告しました。金正恩は、大慌てで土下座せんばかりに会談を懇願してきました。

 この、ハッタリのかませ合いに勝利したことが、トランプ氏にはよほどうれしかったとみえて、会談を復活させたうえ、その後は金正恩の言いなりのように見えます。

 また、この金正恩相手のハッタリの成功に味をしめて、EU、カナダ、メキシコに対して鉄鋼、アルミニウム輸入関税の発動を発表しました。金正恩のように土下座してくると予想していたのかもしれません。

 今後もトランプ氏が、金正恩相手のハッタリ合戦のようなことを他国に対しても仕掛けてくるとすれば、世界の迷惑は甚大です。

 

 もう一つ、日本にとって、派生的な迷惑があります。トランプ氏の会談中止の書簡に安倍政権が浮かれてしまい、世界で唯一、会談中止に対する賛成を表明してしまったことです。

 みっともないことでした。もう少し慎重に対応していただきたいものです。