地方公務員の給与を論ずる際、「ラスパイレス指数」がよく使われます。これは、国家公務員の給与水準を100とした場合の各団体の水準を指数で表すものです。対象団体の職員構成(学歴別、経験年数別)を国と同じと仮定して加重計算するので、職員構成の違いが補正されます。報道などでも、各都道府県のラスパイレス指数の一覧表が掲載されたりします。しかし、このラスパイレス指数、今は見方に注意が必要です。
以前は、ラスパイレス指数によって団体間の給与水準の比較ができました。しかし、2005年の給与構造改革で地域手当が導入されてから、単純な比較ができなくなりました。ラスパイレス指数を算定する対象になっているのは、本給だけで、地域手当は算定の基礎に入っていないのです。だから、都会部の団体と地方の団体で、仮にラスパイレス指数が同じだったとしても、実際の給与水準は最大20%もの差があるのです。団体間の比較は、地域手当の支給率が同じ団体間でしかできません。
民間企業が利用する場合
民間企業が、自社の給与水準を国や地元自治体と比較しようとする際にも、注意が必要です。公務員給与実態調査の結果等として公表されている数値の多くは、本給だけの場合が多く、地域手当支給地域の場合はそれを加算しなければなりません。
例えば、京都市は5級地(地域手当10%)です。京都市内の企業が自社の給与水準を京都市と均衡させようとする場合、公表されている経験年数別の平均額は本給だけの数字であり、これに地域手当分10%を加算した額が京都市の実際の給与水準です。
民間企業は自社の給与水準を詳細には公表していないため、自社の水準を世間相場と比較する際は、公務員と同じようにラスパイレス指数を算定してみることも有効です。私は、勤務している会社の給与水準を毎年ラスパイレス指数を算定して検証していますが、我が社の給与水準は地元自治体と比較して、ラスパイレス指数の差に加えてさらに〇%の差があることを意識しています。
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