ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 上野千鶴子 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:上野千鶴子

 「しがらみを捨ててこれからを楽しむ」という副題が付いてます。著者の顔ぶれから、女性向けかとも思いましたが、目次を見たところ興味がわいたので、終活に取り組む参考にしようと、本書を手に取りました。

 本書は、生活上の様々な行いのやめどきについて、著者お二人の対談を収めたものです。大きく5章に分かれ、1章「家族のやめどき」2章「人間関係のやめどき」3章「社会のおりどき」4章「自立のやめどき」5章「人生のやめどき」となっています。

 第1章には、「親のやめどき」「妻のやめどき」「介護のやめどき」など、第2章には「クラス会のやめどき」、「会葬のやめどき」など、第3章には「仕事のやめどき」「趣味のやめどき」など、第4章には「料理のやめどき」「おひとりさまのやめどき」など、第5章には「薬のやめどき」「自分のやめどき」などの各論が収められています。

 

 お二人の意見は、必ずしも一致しません。「いい嫁は福祉の敵」というあたりは意見が一致するのですが、樋口氏は重い介護が必要になったら施設に入ろうかと考えておられるのに対し、上野氏は在宅介護を使って最後まで自宅でと考えておられます。

私は、樋口氏と同様、在宅での見取りはどうしても家族に迷惑をかけそうなので、最後は施設でと考えています。でも上野氏によると、在宅見取りを手掛ける医師は、独居の在宅見取りは外野のノイズが少ないほどやりやすいと言っているそうです。住んでいる地域の在宅医療・介護の体制が、無理なく在宅見取りができる程度に充実しているかどうかが鍵になるのでしょう。

「仕事のやめどき」は、人それぞれのようです。フリーランスは、注文が来なくなったときには否応なしに廃業ですが、経済事情が許さない人は倒れるまで働かざるを得ないわけです。

 

 私もこれから一つずつ何かをやめていくことになります。世間では、住み慣れた自宅を引き払って、施設に入ったり子供と同居したりして、後悔した話などが溢れています。しっかり検討し、悔いのないよう人生の幕引きをしていこうと思います。

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  副題: 東大ゼミで「人間と歴史と社会」を考える

 本書は、東京大学の大沼保昭教授が、その法学部・公共政策大学院の合併ゼミとして、慰安婦問題を通して人間と歴史と社会を考えるというテーマで1年間にわたり行われたゼミの記録です。その間、アジア女性基金にかかわった人たち、国の責任を曖昧にしたままの基金による償いに反対して国家補償を主張する人、補償に反対の立場の論客、歴史家など、20名ほどの人たちの講演を聴き、質疑応答をされています。本書では、その中から和田春樹氏、秦郁彦氏、吉見義明氏、上野千鶴子氏、長谷川三千子氏、石原信雄氏、村山富市氏の講演とゼミ生との質疑応答の概要、その他の講師の講演概要がまとめられています。

 編著者の大沼教授自身は、アジア女性基金の設立にも大きく関わった方で、元慰安婦に対する補償を推進された立場です。

 

分かったこと、分からないこと

 私は慰安婦問題について自分なりの考えは持っていましたが、事実はどういうことであるのかをもっと明確に知りたいという気持ちがあり、本書を読んでみました。

 軍などによる強制性を認め、補償に賛成する立場の人たちも含め、歴史学者の方たちは、朝鮮半島においては軍や官憲による強制連行とか、女子挺身隊として徴用した女性を慰安婦にしたなどということについては全く裏付けがなく、そんな事実はなかったであろうことについては、概ね一致しているようです。

 慰安婦の募集や移送について軍や行政が便宜を図り、また、慰安所の管理運営について軍の統制があったことについても、一致しています。ただし、それをもって「強制性」として補償を要するものと考えるかどうかという点で、考え方の相違があるだけのような気がします。他に何か「強制性」を示す具体的な事実がないか、注意深く読んでみましたが、本書からは読み取れませんでした。

 官憲が、甘言を弄して女性をだまして連れて行ったという元慰安婦の証言はありますが、目撃者の証言などはないようです。補償を支持する立場の人の中には、それらの証言を一部信じる人もいますが、怪しげな証言もあることは認めているようです。

 悪質な業者を官憲が取り締まっていた資料があるので、悪質な業者もいたことは間違いないでしょう。ただ、ほとんどの場合、連れていかれた親、家族にかなりの額のお金が支払われ、抵抗運動などが発生していないことからすると、親や家族は知っていたと考えるほうが自然だと思います。

 

 慰安婦を利用したという道義的な責任はあるかもしれませんが、当時は違法ではなく、それを断罪するなら他国の軍隊も同罪です。

 政府には、強制連行などという根も葉もない言いがかりに対しては、毅然として対処していただきたいと思います。

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