ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 人事評価 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:人事評価

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 あと数日で、公務員の期末勤勉手当の支給日です。

 昨年度から本格実施された人事評価制度により、その結果を反映した勤勉手当が支給されるはずです。多くの管理職の方々は、査定に悩まれたことだろうと思います。

 私もいくつかの点で、あらためて制度の不備を感じています。

 

人事評価の期間

 多くの自治体では、人事評価は、能力評価と業績評価の二つの区分で行います。

 評価の期間は、4月から翌3月までの1年間としている場合と、9月末でも区切って半年ずつとしている場合があります。1年間としている場合も、9月末までを対象に、10月頃に中間評価を行うのが一般的です。

 12月の勤勉手当の算定には、「職員の期末手当及び勤勉手当に関する規則」により直近の評価が使われるので、10月頃に行われた4月から9月までの評価が反映される場合が多いと思います。

 1月の昇給には、「職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する規則」により直近2回分の評価を使うことが一般的なので、前年度の10月から3月までの評価と、当年度の4月から9月までの評価を反映させる場合が多いと思います。

 

勤勉手当への人事評価の反映

 ほとんどの自治体で、平成28年度末までに「職員の期末手当及び勤勉手当に関する規則」が改正され、勤勉手当の算定基礎とする勤勉率が人事評価の結果に基づくことが明記されました。

 従来から、職員を「特に優秀な職員」「優秀な職員」「良好な職員」「良好でない職員」に分け、それぞれランクで勤勉率に差を設けてありました。改正により、これが人事評価のうちの業績評価に基づくべきことが明記され、また、メリハリを付けるために差を少し広げた自治体が多かったと思います。

 大多数の職員は「良好な職員」に区分され、「特に優秀」は最上位の5%程度、「優秀」は上位の25%程度です。「良好でない」に区分されるのは、基準日(121日)前6か月に懲戒処分を受けた職員一定以上休みが多かった職員のほか、成績が特に悪い職員であり、小さい自治体では該当者なしということもあると思います。

 国の制度に習い、「良好な職員」を基準にすると、おおまかに言って、「特に優秀な職員」は2割くらい、「優秀な職員」は1割くらい勤勉手当を多く、「良好でない職員」は1割以上少なく設定されている自治体が多いと思います。

 

昇給への反映

 人事評価により、一般的には、職員を勤務成績が「極めて良好」「良好」「普通」「やや良好でない」「良好でない」の4段階に区分します。

 「普通」の職員は、1月1日に4号給(5級以上の職員は3号給)定期昇給するところ、「極めて良好」は8号給以上、「良好」は6号給、「やや良好でない」は2号給、「良好でない」は昇給なしになります。ひどい成績の場合は、降給、降格もあります。

 

同じ人ばかりでいいか?

 純粋に業績などを評価すれば、6月に他より高率の勤勉手当を受けた人が、12月にも同様の可能性が高く、1月の昇給も同様です。民間を見れば、その程度の差がついても当然かもしれませんが、今までほとんど差を付けずに運用していた自治体が多いと思われるので、あまり差が付きすぎることを危惧する管理職も多いと思います。去年優秀だった人は今年も優秀である可能性が高く、何年か続くと、大きな差になるでしょう。

 表立っては言えないでしょうが、実質的には、同じ人を続けないようなさじ加減をする自治体もあるような気がしています。

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 平成25年度くらいから28年度にかけて、ほとんどの地方公共団体で、「職員の降給に関する条例」(降給条例)という不穏な名前の条例が制定されました。これは、人事評価の導入に伴い、その結果を処遇に反映させるためのものです。

 それ以前は、このような条例を定めている地方自治体は、なかったと思います。以前の地方公務員法の解説書で、「例はない。」と記述されているものもありますから。

 職員の降給は、地方公務員法の「分限処分」として行われます。

 

地方公務員法

(分限及び懲戒の基準)

27 すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。

 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、若しくは免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職されず、又、条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給されることがない。

 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。

(降任、免職、休職等)

28 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。

一 勤務実績が良くない場合

二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合

三 前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合

四 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合

 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反してこれを休職することができる。

一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合

二 刑事事件に関し起訴された場合

 職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。

 職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。

 

 地方公務員法第27条第2項では、職員の分限処分の種類について、降任、免職、休職、降給の4つに定めています。

 そのうえで、降任と免職については、法律で要件を定めることとし、第28条第1項で定めていて、条例で要件を加えることはできません。

 休職は、法律又は条例で要件を定めることとされ、第28条第2項で定めたうえで、条例で要件を加えることも認めています。

 降給は、法律では一切要件を定めておらず、条例で定めることとされています。つまり、条例がなければ、降給処分はできないということです。従来も、降任に伴って給料の号給が下がることはありましたが、それは単に降任の結果であり、降給処分ではありません。

 

 各自治体では、人事評価制度の本格実施に向け、評価結果を給与等の処遇に反映させるため、降給条例を制定せざるを得なかったわけです。

 条例の内容は、おおむね、人事評価で最低の段階に区分された者であって、指導にもかかわらず改善されなかったもの等を降給するというような内容が多いようです。

 今後の運用が注目されます。

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