ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 人事院 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:人事院

 森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんに関与させられて自殺した近畿財務局の元職員の公務災害認定報告書に関し、人事院が元職員の業務内容などを不開示とした決定を、人事院が自ら取り消す決定をしたことが11月5日に報じられました。

取り消す決定自体は1029日付けだったようです。この不開示決定に対しては、総務省情報公開・個人情報保護審査会9月に「不開示とした理由が詳しく記載されていない」として、決定を違法として取り消すべきだとする答申を人事院にしていました。

 

「情報公開・個人情報保護審査会」Good Job
 審査会の裁決理由では、「効果的な主張を困難にさせている」とも述べており、今回、人事院はその答申内容に従い、不開示決定は違法と認めざるをえなかったようです。不開示の理由など、詳しく説明できるはずがありません。
 審査会の存在意義を示してくれました。Good Job

この審査会は、どこの都道府県にもあり、私も古巣の県庁のこの審査会の事務局を務めたことがあります。たしか、大学教授2名(行政法、ほか)、弁護士1名、その他有識者1名(マスコミ出身者)で構成されていたと思います。私の経験では、各委員は、自身の見識に従って意見を述べ、それを互選による委員長が取りまとめ、事務局が結論をコントロールすることなどできない形で運営されていました。
 こうした委員会が正常に運営されていることは、国民にとっては心強いことだと思います。

人事院も予定どおり?
 あの問題で、元職員の業務内容を遺族に対して不開示にしなければならない理由など、考えにくいと思います。人事院の官僚も、審査会にかけられれば敗けると予測できなかったはずはないでしょう。
 私の憶測ですが、人事院は、あっさり開示してしまうと官邸に睨まれてしまうので不開示にし、審査会の答申を得て開示にしたのではないかと思います。審査会の答申を経て開示したのであれば、官邸に対して言い訳もできると考えたのではないか・・・?
 人事院には、安倍政権の黒川氏定年延長問題の際に官邸の意向に従って言を左右した前科があります。 

 岸田新政権には、官僚が良心に従って仕事ができるような体制に戻すことを期待しています。

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 97日付で人事院から各省庁に『懲戒処分の指針における「公文書の不適正な取扱い」関係について(通知)』という文書が出され、それを受けて9月11日付けで総務省から『国家公務員に係る「懲戒処分の指針について」の一部改正について』という文書が、都道府県の人事、市町村担当に出されました。

 その通知が我が小規模自治体にも流れて来て、その存在を知ったのですが、その文書で引用されている「決裁終了後の決裁文書の修正について(通知)」という810日付けの内閣府公文書管理課長から各省庁あての文書が地方自治体には流れてきていなかったため、何とも要領を得ない、対応に困るものでした。

 この件については、私も以前から問題意識を持っていたので、内閣府の文書を取り寄せていただきました。

 『公文書の「改ざん」と「訂正」』参照

 

内閣府の文書

 この文書の要点は、決裁の終了した公文書は、修正のための決裁手続を取らなければ修正してはいけないことです。その修正の手続等について、各省庁の文書取扱規則等を改正するためのモデル規定も付されており、各省庁では、文書取扱規則等の改正を済ませたところが多いようです。しかし、地方公共団体には通知されなかったため、地方自治体の規則改正は、まだほとんど行われていないようです。我が小規模自治体はもちろん、県もまだです。

 この運用として、「決裁文書の文面、当該決裁文書の内容の意味及びニュアンスを全く変更せずに形式面のみ整える行為」は、修正には当たらないとされていますが、字体や均等割付の変更など、極めて限定的な取扱いです。フォントサイズを変更することによってニュアンスが変わるような場合は、含まないとされています。

 また、モデル規定の中に、次の項があります。

 「修正の内容が、客観的に明白な計算違い、誤記、誤植または脱字など軽微かつ明白な誤りに係るものである場合には、第1項の規定にかかわらず、修正のための決裁に係る手続を、□□に定めるところにより、簡素化することができる。

 やはり、誤字、脱字の類の訂正も、手続を簡素化していいとはいえ、決裁を要するということです。簡素化の具体例が示されていますが、合議先の関係課長などが同報でいいだけで、最終決裁権者(大臣)まで決裁を回すことが例として示されています。

 

あつものに懲りてなますを吹く

 各省庁が、どんな簡素化の措置を講ずるか、明らかになっていませんが、内閣府が具体例で示したようなやり方は、非現実的だと思います。

 昨年の電子データを修正して今年度の文書を作成することは、非常に多く、その際、年度や日付を1箇所くらい元のままにしてしまうことは、頻繁に見受けられます。多くは、発出する前に気づいて直すことになりますが、今まではおそらく起案者の一存か、直属の上司に断る程度で直していたでしょう。それを最終決裁権者まで回さなければならないでしょうか?

 修正決裁の手続を取らずに文書を直すと、「改ざん」とされ、免職又は停職ということのようです。

 あまり現実離れした厳しい規則、運用基準を作っても、かえって違反が日常化してしまいます。私は、以前も書いたように、施行前の文書と施行後の文書を区別し、施行前の文書は、簡易な手続で訂正、修正を認めるべきだと思います。施行前に気づいた誤記等は直属の上司に口頭で了承をもらう程度の手続で修正を認めるような手続を定めるべきです。財務省などで問題になったのは、施行後の過去の公文書を書き換えたものです
 もう少し状況を注視し、拙速を避けて、我が自治体の対応を検討したいと思います。

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 平成30810日、人事院が、国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げることについて、衆参両院の議長や内閣総理大臣に意見を申し出ました。我が自治体にも県の市町村課経由で流れてきました。

定年引上げ自体は、既に昨年6月に「具体的な検討を進める」旨の閣議決定がされており、既定事項ですが、今回の人事院の意見により、制度の大枠が固まったようです。近々、この意見に沿った法改正が行われるでしょう。

 

意見の骨子

1 国家公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げ

2 本庁や地方支分部局の課長相当職以上の管理職に、原則60歳(60歳到達時の年度末)の役職定年

3 役職定年の対象外の職に就いている職員は、60歳到達時と同じ職にとどまることもあり得るが、その場合も給料は60歳到達時の70%の水準(役職定年の対象者の場合は年間給与が5~6割程度になることもある。)

4 60歳以上で希望する職員は、短時間勤務の職

5 現行の再任用制度は、定年引上げが65歳に達して完了するまで、暫定的に継続

6 引上げの年度にも計画的に最低限の新規採用の確保

 

予想されたとおりの内容だが

 おおむね予想されたとおりの内容です。役職定年制等を導入すれば、事実上は現行の再任用制度と大差はありません。

 しかし、気になるのは、同一の職にとどまる場合でも給与水準を70%に切り下げることです。同一労働同一賃金の原則憲法上の法の下の平等に反しないのでしょうか?

 先の最高裁判決で、定年後の再雇用について、定年前の79%程度の給与とすることを容認していますが、今回の意見の70%という水準はそれを下回っています。また、定年退職という形を経ずに身分が継続しています。

 これが、合法、合憲なのか、私には疑問があります。

 「非正規職員の処遇等 最高裁の判断」

 

 今後、国会で議論され、成立後、地方議会でも形だけ議論されて地方公務員にも波及してくるでしょうが、どんな議論になるのか、注目しています。


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