ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 会計年度任用職員 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:会計年度任用職員

 数か月前、令和2年度から施行された会計年度任用職員制度の運用についての総務省の調査結果が公表されました。会計年度任用職員制度は、平成29年度の地方公務員法等の改正で決められ、令和24月から施行されたものです。

 制度導入の目的は、従来、法律上の根拠があいまいだった地方自治体の非常勤職員の雇用を明確にし、一般職職員と同様の仕事をしていながら地方公務員法のほとんどが適用されない特別職非常勤職員の扱いを適正化し、官製ワーキングプアなどとも言われていた非常勤職員の処遇改善を図る等でした。

 令和241日時点におけるこの調査の結果によると、これらの改正の狙いは概ね達成できているようです。ただし、一部の自治体では、目的に沿った制度導入が間に合わず、適当とは言えない運用も見受けられます。令和3年度は、おそらくほとんど適正に運用されていることと思います。

 

給料等は?

 会計年度任用職員(事務補助)の1時間当たりの給料の平均は990で、平成28年度の非常勤職員(事務補助)の平均919円に比較するとかなり増えていますが、やはり最低賃金に近い水準です。

 給料の決定方法で、職務経験等の要素を考慮する団体が92.9%ですが、考慮しない団体が7.1%あります。考慮しないということは、契約を更新しても給料を据え置く、昇給させないということでしょう。

 また、給料水準が制度導入前よりも減額となった職種がある団体が23.8%もあります。これは、制度導入前から危惧されていたことでした。期末手当を支給することになるので、期末手当を含めた年間給与を地域の水準に合わせようとすれば月給は下がってしまうかもしれません。また、勤務継続の際に昇給させなければならないとすると、雇い初めの際の給与は抑えようとする団体もあるでしょう。

 

一概に非難できない

 新型コロナ前、民間の雇用環境がまだ良かったころでも、私の地方では、地方自治体が非常勤職員を募集すると応募者が殺到しました。つまり、官製ワーキングプアなどと言われる自治体非常勤職員も、地方によっては恵まれた雇用条件とみなされている実態がありました。今は、なおさらです。

 新たな会計年度任用職員の雇用条件はさらに改善されており、他の民間非正規職員と比較すると羨ましいような条件なのかもしれません。行政としては、役所の非正規職員の待遇ばかり上げられないという事情もあるでしょう。

 

 格差是正は、社会の安定のため、待ったなしの課題でしょう。

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 会計年度任用職員の制度導入まで1年ほどになりました。我が小規模自治体も含め、まだ、県や周辺市町村の様子見をしている団体が多いようです。

 私が今、最も危惧しているのは、八百長のような公募選考が行われたり、外部から出来レースを疑われたりするケースが出るのではないかということです。

 

更新の制限の問題

 現在、多くの地方公共団体では、非常勤職員については1年ごとの契約としたうえで、更新は4回までとか、5年を超えて更新しない等の制限を定めています。我が自治体も、地元の県庁に倣って、そのようにしています。その扱いを変更しなければならないのか苦慮しているところです。

 総務省の「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)」には、「募集に当たって、任用の回数や年数が一定数に達していることのみを捉えて、一律に応募要件に制限を設けることは、平等取扱いの原則や成績主義の観点から避けるべきもの」とされています。

 私としては、県や周辺自治体が、このマニュアルの記載を杓子定規に守ろうとするのかという点に注意しています。私としては、「建て前としてはそうでしょうが・・・」という気持ちです。

 

更新制限を廃止した場合の弊害

 現在のような制限を廃止した場合、多くの弊害が予想されます。

 公募して、現職の職員と新規に応募した人を「公平に」選考考査することになります。非常勤職員の応募者と面接する場合、その応募者のこれまでの経験等からどの程度使えそうか、即戦力になりそうかという観点が中心になります。一般的には、現職と新人とでは、優劣の差は明らかです。

 そんな面接をすれば、新規応募者には無駄に期待させ、外部からは八百長、出来レースのように思われてしまいそうです。

 

 今も更新する際は、公募はしませんが、「選考」はしているのです。上限が明確にされていた方が、非常勤職員の側も生活設計しやすいとも考えられます。また、更新の問題については、新たな規定が加わったわけでもないのに、運用だけを変更することを求められているわけで、やや無理があります。
 また、国のQ&Aも、絶対にダメと言わず、やや及び腰の感じもします。

 昔「赤信号、みんなで渡れば・・・」などという言葉もありましたが、なし崩し的に現在のような運用になることを期待しています。

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 東京メトロの子会社「メトロコマース」の契約社員として、駅の売店で販売員をしていた女性4人が、正社員との間に不合理な格差があるとして損害賠償を求めていました。一審の東京地裁では、ほとんどの訴えが認められず、東京高裁に控訴していたのに対し、東京高裁は20日、「長期間勤務した契約社員に退職金の支給を全く認めないのは不合理」として、一審の判決を変更し、4人のうち2人に45万~49万円の退職金を支払うよう命じました。

 報道によると、住宅手当や勤続年数に応じた一時金(褒賞)、退職金の一部などは支払うべきだとした一方、基本給や賞与などについては、正社員と同じように支払うべきという主張は認めず、請求を棄却したとのことです。非正規社員には退職金が支給されないケースが多く、支払いを認めた判決は初めてのようです。

 

自治体への影響は?

 「同一労働・同一賃金」ということから、不合理な差別が禁止されることは当然です。

一般に、自治体の非正規職員は、「非常勤」という形で勤務時間が正規職員より短く設定されている人が多く、直接の影響はないと思われます。しかし、勤務時間が正規職員と同じだったりする場合には、住宅手当等の不支給が不合理とされる可能性があると思います。また、将来的には、勤務時間が多少短いからといって全く支給しないという扱いも、不合理とされる可能性もあるのではないでしょうか?

退職手当については、現在も、多くの自治体の条例では、非正規職員でも勤務時間が正規職員と同じならば、年数に応じて支給されるようになっています。

 

会計年度任用職員は?

 現在総務省から示されている「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル」では、フルタイムの会計年度任用職員には、時間外勤務手当等、通勤手当、期末手当、退職手当は、適切に支給することとされています。また、特殊勤務手当等の職務給的な手当、地域手当やへき地手当等は、勤務形態や地域の実情等に応じて、適切の判断することとされています。

 しかし、「上記以外の手当」については、「支給しないことを基本とする」とされています。住居手当などは、方針変更を要するかもしれません。

 

 私が定年前に在職していた県庁、現在在職している小規模自治体とも、非正規職員が「正規職員と同じ仕事をしている」という実態にはありません。仕事の内容、性質は、異なっている職場がほとんどです。県の一部の職場(県立病院等)では、正規職員以上の仕事をしている非正規職員もおられましたが・・・。

 現在の職場では、今回の判決によって直ちに見直さなければならない点はないだろうと思いますが、今後の動向を注視したいと思います。

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 2020年4月から始まる会計年度任用職員制度について、各自治体で検討が進められています。県の市町村課などが音頭をとり、検討状況について市町村間の情報交換会などが開催されている都道府県もあるようです。周囲の状況に合わせようと考えているうちのような小規模自治体にとっては、ありがたいことです。

 

会計年度任用職員に移行するのは

 この制度は、これまで任用根拠が明確でなかった一般職の非常勤職員の任用根拠を定め、さらに、同じような仕事をしていながら地方公務員法の適用がなかった特別職の嘱託員などを一般職として守秘義務などの対象にするための制度です。

 したがって、現在、一般職の非常勤職員として勤務している職員や、嘱託員等として一般職と同じような仕事をしている職員は、会計年度職員に移行します。

 自治体によっては、図書館長や公民館長など、施設の長をプロパー職員でない非常勤の嘱託職員などで充てている例もあります。それらは、プロパーに替えるか、一定の要件を定めて「任期付職員」として雇用する検討をしているところもあるようです。

 

勤務時間等は従来どおり

 会計年度任用職員の勤務時間は、常勤職員と同様にすることも、それより短くすることもできます。

 現在の非常勤職員で、5時間50分とか6時間の勤務になっている職員が多いのは、社会保険、雇用保険などの制度との兼ね合いであり、これを変更する必要はないと考えている自治体が多いようです。また、現在、雇用更新の上限を5年等としている自治体も多くありますが、それも継続する意向の自治体が多そうです。

関連ページ

「非常勤職員制度の見直し」

 「使い勝手が悪い会計年度任用職員制度」 

 「非常勤職員の雇い止めを続けるか」

 「私の知る自治体非正規職員の歴史」

 

待遇改善は不透明

 会計年度任用職員は原則として期末手当の対象になる(勤勉手当は対象外)ため、待遇改善も期待されています。しかし、その実現は微妙なようです。

 都道府県などでは、年収ベースで年間の類似職種の賃金と比較して報酬の日額単価などを決めていたところが多いようです。その場合、期末手当を支給することになると、通常の日額、月額の報酬を引き下げなければならない可能性があります。

 期末手当の支給率自体は、現在の再任用職員に対する支給率か、それより1~2割低い設定を検討している自治体が多そうです。

 

 また、更新時の昇給を考慮すると、最初の1年目の報酬は現在の非常勤職員のベースより低く設定する自治体もあるかと思います。

 

 この制度は、官製ワーキングプアの解消も目的の一つだったはずですが、その目的が達成されるか、不透明な状況です。

 東京では分かりませんが、地方では今の非常勤職員の雇用条件でも募集すれば多数の応募者が集まります。他の非正規の職と比べて、有利な職だと思われているようです。待遇の引上げが、批判を浴びる可能性もあり、難しいところです。

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 学陽書房の「平成31年度版 地方自治小六法」が職場に納品され、先週、私にも配られました。私にとって、年中行事の一つです。

 

少し薄くなった

 31年度版を手にした時、「あれ?少しスリムになったかな?」と感じました。

 比べてみたら、30年度版が2511頁まで番号が付されていたのに対し、31年度版は2292頁まででした。200頁以上も薄くなっていました。

 見比べてみると、平成29年度中の地方自治法の改正などで、改正の施行日が平成3041日になっていた部分が、30年度版には新旧の条文が併記されていたためのようです。31年度版には、その部分は、改正後の条文だけに変わっています。

 しかし、まだ、平成295月の自治法、公務員法などの大改正で、平成3241日から施行される部分は、当然、まだ新旧の条文が併記されています。こういう部分は、読むのが面倒です。

 

そろそろ本気で準備しなければ

 まだ新旧の条文が併記されている平成3241日施行の改正の中には、非常勤職員制度の大幅な改正が含まれます。現在、一般職と同じような仕事をしている特別職の嘱託職員などは、会計年度任用職員などに切り替えなければなりません。

 我が小規模自治体では、まずは県がどのような制度設計をするか見極めてから決定することになるでしょうが、問題点の把握だけは急ぎたいと思います。

 私が現時点で気にしているのは、雇用を更新したときの昇給と、現在雇用年数に上限を設けているのをどうするかという点などです。

 

 例年、職場で不要になった旧年度版を自宅に持ち帰り、自宅用として使っています。自宅でもたまに条文を調べたくなるときがあるのです。今はネットでなんでも調べられますが、やはりこの地方自治小六法は、紙ベースのものが不可欠です。

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