ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 佐高信 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:佐高信

 題名の4人の共通項は、SNSを駆使した選挙です。活字を読まないばかりか、テレビも見ない若者などが、簡単に騙されて投票してしまうことに著者は警鐘を鳴らしておられます。私もこの4人のいかがわしさについては、全く著者と同感です。

 「はじめに」の中で立花孝志のペテン師ぶりを説明し、最初の章は「玉木雄一郎、齋藤元彦、石丸信二の解剖」です。著者は、実名告発を信条としておられ、歯に衣を着せない舌鋒が持ち味なので、読んでいて痛快です。私も、ありもしない「103万円の壁」の引き上げをアピールする玉木氏の欺瞞に憤りを感じていました。

 次の章「いかがわしい者たち」以下は、以前に雑誌等に掲載された記事の再掲等ですが、ここでも、題名の4人に加え、多くの著名人が批判されています。小池百合子、池田大作、百田尚樹、松本人志、内田樹、山口那津男、吉村洋文、豊田章夫、韓鶴子、渋沢栄一、佐藤優・・・。

 私は、これらの批判の多くに同意なのですが、意見が異なる対象者もいます。著者は、民主主義を唱えながら天皇制を支持している内田樹氏らを批判しますが、実は私もそうなのです。リベラルを自称しながら、皇室を敬愛しています。矛盾は承知していますが、人間は必ずしも首尾一貫できないものです。

 また、渋沢栄一は、朝鮮の植民地支配の経済面での象徴的役割だったこと等から、紙幣の顔に相応しくないと批判されています。私は、あの時代、日本を守るために産業の近代化に果たした役割の大きさの方を評価しています。

 佐藤優氏は、河井克行を選挙で応援したことや創価学会、公明党に追従していること、安倍派裏金を「大した問題ではない」と言っている点などが批判されています。それらのことは、私は知りませんでしたが、佐藤氏の学識は尊敬しています。

 人物評の中で、知らなかったエピソードがたくさん出てきます。読書日記のような章もあり、そこにも多くの事実が紹介されています。それらが実に興味深い!

 旧統一教会が、自衛隊に働きかけてクーデターを起こす計画もしていて、国際勝共連合(統一教会の関連団体)は「散弾銃で武装し、自衛隊で定期的に訓練も受けていた」など、初めて知って恐ろしくなりました。

 称賛されている少数の中に、アフガニスタンで活動中に亡くなった医師、中村哲さんがおられます。彼は、「平和憲法とは戦争で亡くなった約300万人の『お位牌』だ」と言っておられたとのことです。大切にしたいものです。
 「はじめに」から「おわりに」までエピソード満載で約260ページもある本ですが、とても楽しめました。
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 著者の佐高氏は、歯に衣を着せないリベラル派の著名な評論家、もうお一人の前川氏は政治家にあらがった硬骨の官僚として著名な元文部科学事務次官です。

 表紙には、「「本当の学び」で国家と権威を疑え」という副題、「排外主義、陰謀論、ポピュリズム、断定調が渦巻く時代ー鵜呑みにせず、自ら問い続ける者だけが生き延びる。」「この国の未来のためには、いまこそこの力が必要だ!」等の呼びかけが記されています。本書の発行は2025年9月ですが、著者らの切実な想い、危機感は、2026年2月の衆院選では国民に届いていなかったようです。

 「はじめに」の中で先の大戦の戦争責任に触れ、「騙された」と言えば免罪されるわけではないことが指摘されています。その上で、「なぜ、玉木や立花や斎藤(兵庫県知事)や石丸に、とりわけ若い人はだまされるのか?」と問いかけ、本編は教育、学びに関する議論が中心になっています。日本の教育の歴史、世界の教育の状況について、いろいろ知ることができました。もちろん、本書の趣旨に添い、書かれていることを鵜呑みにしたわけではなく、自身の体験等からそれが真実であろうと納得した上での知識です。

 明治の始めの「学制」は学問によって国民に生計の途を与えることを目的としていましたが、明治中期以降は、国家に有為な人材を育成することが主な目的に変わりました。個人の人生を豊かにするためではありません。「学校外の義務教育」という制度が日本以外の先進国にはどこでも存在しますが、日本の義務教育は今も学校だけしか認められていません。学校で指導要領等に従って、国家に有為な人材を育てるためでしょう。

 日本でも、私立学校は国の監視が緩く、比較的自由な教育も行われていると指摘しています。私も、県の教育委員会にも在席したことがあり、知事部局の私学所管課にも在席したことがあるので、良く分かります。

 両著者は、SNSでの情報拡散で世論が簡単に傾くことに危惧を抱かれています。この世論の雪崩によって高市早苗が自民党総裁になり、日本の首相になって改憲の旗を振ったら本当に危ないことだと指摘されています。残念ながら、その危惧が現実になってしまいました。

 対処するには、社会としては既存のメディアが頑張ってファクトチェックをきちんとすること個人としてはじっくり腰を落ち着けて読書をする習慣をつけ、なんでも疑ってみることが勧められています。また、過去には、騙されたことに人々が気づいた時に革命が起こるようです。
 危ない世の中になってしまいました。
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