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 2020東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の要請を受けて、安倍首相が自民党にサマータイム導入の検討を指示したとの報道がありました。それを受けて、多くの識者が反対を表明しています。反対の声が圧倒的ですが、自民党や経済界の一部が導入に積極的らしいので、少し心配です。

 ちょうどこのタイミングで、以前からサマータイムを実施していたEU諸国で、廃止に向けた議論が進んでいるという報道がいくつか流れました。ヨーロッパ議会が、サマータイムが健康に悪影響を及ぼすことなどを理由に、今年2月に、廃止の是非を徹底的に評価するよう求めた特別決議を採択し、本格的な議論を始まったとのことです。

 これで、森会長の赤っ恥の歴史が一つ増えただけで、日本での馬鹿馬鹿しい議論にも終止符が打たれるのではないかと、期待しています。

 

サマータイム導入論にも2種類

 現在のEU諸国のように、時間を前後させてしまう純粋なサマータイムを主張する人がいます。一方、わざわざ時間、時計を動かさなくても、夏期には企業や官公庁の始業時間を1、2時間早めればいいという意見もあります。例えば、現在は830分の官公庁の始業時間を、夏期は630分にすれば、わざわざ時計をいじらずに済むというわけです。

たしかに、いろいろなシステムの改修は少なくて済むかもしれませんが、実効性が疑問です。国家公務員の始業時間を前倒しにすることはできるでしょうが、民間企業が一斉に右へ倣えをするとは思えません。地方自治体の足並みも乱れるでしょう。実際上は、無理だと思います。導入するなら、EU型しかないでしょう。

 

サマータイムはメリットがあいまいでデメリットは明白

東京オリンピックを口実にする人がいますが、バカも休み休みに言ってほしいものです。各競技の時間を適当に設定すればいいだけで、日本中を付き合わせる必要はありません。

導入推進派の最大の理由は、省エネです。職場の冷房費用はたしかに節減できると思いますが、その分、家庭の冷房費用が増えてしまうでしょう。産業界の狙いは、そこかもしれません。また、システムの切り替えなどに費用や手間がかかります。費用や手間がかかるということは、エネルギーを消費するということです。本当に省エネになるか、疑問です。

余暇の活動などによる経済効果を主張する人もいます。経済効果があるということは、経済活動が行われる、エネルギーが使われるということで、省エネとは逆行します。また、早く帰宅できたとしても早く就寝しなければならないので、余暇時間が増えるわけではありません。経済効果など、疑わしいものです。

EUで議論されているように、健康に悪いのは確実でしょう。就寝時間、起床時間を前後させることは容易ではありません。切り替え後しばらくは、寝不足になりそうなことは、容易に想像できます。日本睡眠学会の医師によると、睡眠不足により、心筋梗塞、脳卒中、うつなど、様々な病気のリスクが高まるとのことです。

 

 健康に悪いとすれば、仮に少しばかり経済界に利益があったとしても、導入してはならないことは当然です。