前稿では、政策の失敗による医師の不足から、日本で地域の医療崩壊が迫っていることについて書きました。本稿では、現在、政府が講じようとしている施策について思うところを書きます。

 前稿「医療崩壊に政府はどう対処? 医師などの不足」

 

 20194月、厚生労働省は、公立病院や公的病院(日本赤十字、済生会、厚生連)の統合、再編を促進することを決め、公表しました。民間と競合している病院や診療実績が低迷している病院などを「再編統合が必要な病院」と位置づけ、重点地域を今夏中に十数か所指定し、都道府県に実行を迫る予定のようです。だから、8月中には、再編すべき地域が公表されるのでしょう。

 報道では、「過剰になっている病床を減らして医療費の膨張を抑える狙い」が強調されていました。

 

再編は人材の最適活用からも必要

 医療費の膨張も抑えたほうがいいかもしれませんが、そもそも日本の医療費は、諸外国と比較して高くありません。しかし、労働力人口が減少を続ける中では、抑えなければならないのでしょう。

 それよりも、医師をはじめとする人材、医療資源の活用という側面から、再編は必須だろうと思います。医師不足を招いたのは政策の失敗ではあるのですが、責任論を展開しても問題解決にはなりません。

 医師や看護師などの限られた医療人材を効率的に活用するには、少数の急性期病院、救急病院に人員を集中させる必要があります。それ以外の中小病院は、回復期、慢性期、在宅医療支援病院等の役割で少数の医師等で運営する、入院機能を縮減・廃止して診療所として存続する、廃止するなどを選択することになるでしょう。

 

 この秋から、国から指定された地域やそれ以外の地域でも、病院の再編、役割分担の議論が始まることでしょう。関心をもって見守っています。

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