ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 公職選挙法 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:公職選挙法

 2021年7月の東京都議会議員選挙中に無免許運転で人身事故を起こした木下富美子都議会議員が、ようやく辞職しました。7月の都議会議員選挙には「都民ファーストの会」から立候補して当選しました。問題の発覚後、除名処分になっていて、都議会から2度にわたって辞職勧告決議もされていましたが、居座り続けていました。

ようやく辞職したのは、都議会の内部で、法的拘束力のない「辞職勧告」ではなく、「除名」の決議の動きがあったためとも伝えられています。

この間の報道を見ていて、不祥事を起こした議員がその地位を失う要件が、一般職の公務員より甘いことを知りました。

 

一般職公務員より甘い!

 一般職の地方公務員は、禁固以上の刑に処せられれば、たとい執行猶予がついていたとしても原則として失職します。「原則として」というのは、公務中の交通加害事故で禁固刑以上の刑に処せられた場合に、一律に失職させずに事情によっては救済できることにする条例を自治体の判断で制定できることになっているからです。このような条例を持たない自治体の場合、救済される途はありません。

 それに対して、議員の場合は、公職選挙法第11条第1項第3号のかっこ書きによって、執行猶予が付いた場合は失職しないで済みます。木下氏の場合、仮に禁固刑になったとしても、執行猶予が付くのは確実とみられていることが、騒動の背景にありました。

 

参考 公職選挙法

(選挙権及び被選挙権を有しない者)

第十一条 次に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。

一 削除

二 禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者

三 禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

四号以下省略

 

なぜ一般職より甘い?

 そもそも公選法第11条は、選挙権及び被選挙権の要件についての規定です。私も、政治に参加するための選挙権については、あまり狭めるべきではないと思いますが、被選挙権については少なくとも一般職と同程度以上には厳しくすべきではないかと思います。

 国会議員の不逮捕特権は、為政者の側が反対派の議員を政治的に排除しようとするのを防ぐためとされています。それと同じような目的なのでしょうか?

 

 政治的な弾圧を防ぐために議員の身分を守る必要があるなら、少なくとも歳費の支給を保留する制度が必要だと思います。逮捕・起訴された後は歳費の支給を保留し、無罪になったときに支払う形でもいいでしょう。

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白須賀議員のケース

 自民党の白須賀貴樹衆議院議員が、日本のIRへの進出を計画していた中国企業から100万円を受け取っていたことが報じられました。白須賀議員は、マカオのカジノなどへの視察旅行(旅費は中国企業が負担)に参加し、100万円を受け取っていたことも検察の調べに対して認めていますが、職務権限がないために収賄には当たらず、お咎めは一切なしとのことです。

 

河合前法相の言い訳

 公職選挙法違反で起訴された前法務大臣の河井克行被告は、県議らに現金を渡したことを一部認めているものの「地盤固めや党勢拡大のためだった」などと買収の意図を否定しているとのことです。検察が買収の意図を立証できなければ、議員の椅子にとどまるつもりなのでしょうか?

 

制度が常識から乖離している!

 国会議員が、ある制度の創設に関連して民間企業、しかも外国の企業から金銭の供与を受けたり、接待を受けたりするのは、悪いことに決まっているというのが国民の常識でしょう。それが罰せられないというのは、制度に不備があるのです。

 地方の有力者に現金をばらまいても、具体的な選挙の投票の取りまとめを依頼する趣旨でなければ大丈夫というのも、国民の常識から外れています。現金を供与したり、受け取ったりした時点で、政治生命が失われる程度の刑罰が下されるような制度でなければならないでしょう。

 

 与党の国会議員さんたちは、バレたときに致命傷を負わないように、わざと穴だらけの法律にしているのでしょうか?こんな穴だらけの法律を武器に、政権に近いところにある悪と戦わなければならない検察に同情します。

 最近の事件で立て続けに法律の不備が明らかになっています。ここは、マスコミや野党の皆さまに頑張っていただき、是正していただきたいものです。

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