5月25日、政府が新型コロナウイルスワクチン接種促進のための追加支援策を決定し、公表しました。接種回数の多い診療所への支援費用上乗せや、ワクチンの打ち手として救急救命士や臨床検査技師の活用を検討することなどが主なもので、現行では1回当たり2070円の接種の対価が、最大で5070円に増額となるとのことです。

 もちろん歓迎ですが、遅すぎます。2070円については、発表されたときから安すぎる、土日については人件費にしかならない等と、自治体、医療関係者から不満が出ていました。この遅すぎた対応が、現在の接種の遅れ、予約の混乱を招いた一因になっているのでしょう。

 「ワクチン接種の地方分権」 参照

 

安すぎた接種料がワクチン難民を発生させた

 医療機関での個別接種が進められていますが、かなりの規模の病院でもワクチンの個別接種に対応しないとしているところもあります。当初に設定された2070円という接種料の安さが、個別接種に対応しない医療機関を量産してしまった可能性が高いでしょう。

 かかりつけ医がワクチン接種に対応していない高齢者が、他の医療機関に頼んだところ、「あなたはうちの患者じゃないから」と断られた話もよく聞きます。かかりつけ医が対応していない高齢者、そもそも内科系のかかりつけ医がいない高齢者などが、ワクチン難民となり、集団接種の受付が混乱している自治体も多いようです。

 ワクチン接種をすることに方針変更した医療機関も病院もあるようですが、そもそも最初から、医療機関がこぞってワクチン接種をしてくれる程度の接種料に設定していれば、今のような混乱も起きず、ワクチン接種も今よりは進んでいたでしょう。

 

兵力の逐次投入は典型的なへぼ手

 戦いにおいては敵を圧倒する戦力を投入して一気に制圧するのが、最も犠牲が少なく、効率的であることは常識です。この新型ウイルスとの戦いでも同様でしょう。

 接種料の設定が、「兵力の逐次投入」に当たることは自明です。また、このような批判を後出しじゃんけんだとして政府を擁護する人もいるでしょうが、それは誤りです。この接種料は初めから安すぎると批判され、このような結果も予測されていたにもかかわらず、政府が無視していたものです。

 緩すぎる規制早すぎたG0 T0開始遅すぎた緊急事態宣言早すぎた緊急事態宣言の解除なども、同様です。

 

 安倍政権から続く日本政府の一連の失敗、来年くらいからハーバードなどのビジネススクールの危機管理や失敗学の講座で、「危機管理の失敗」の題材として役立つかもしれません。

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