ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 再任用 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:再任用

 2023年度も残り一週間を切りました。公務員の定年延長が始まる最初の年度末です。この3月末から、60歳に達した職員は定年にならず、1年後、61歳で定年になります。今後5年かけて1歳ずつ引き上げられ、5年後には65歳定年で一区切りです。ただ、今後もさらなる引き上げがあるかもしれません。

 この3月末は、行政職の職員では定年退職者は原則としていないことになり、どのような運用がされるのか少し気になっていました。

 

我が古巣は想定どおりの運用

 定年延長といっても、60歳で役職定年になり、本当の定年までラインから外れて働くことになります。

 我が古巣の県庁では、おおむね、部長級だった職員は60歳で早期退職して関連団体等で再就職し、課長級以下の職員は希望すれば従来の役職より2ランクほど低い役職で、監督職や担当者として定年まで在職し続け、定年に到達した時に希望すれば再任用になるようです。私が県を定年退職後にお世話になっていた小さな地方公共団体も、同じような運用です。

(誤解のないように書いておきますが、我が県庁は幹部に昇進して関連団体等に再就職しても、国の高級官僚のような処遇ではなく、給与も下がるケースがほとんどです。)

 定年延長の運用は、想定どおりの形です。

 結局、実態としては、これまでの60歳定年の再任用とあまり変わりません。退職手当を受け取るのがお預けになるだけのような・・・。

 いずれにしても、職業人生の最終章では再び担当者として仕事をする人が大多数になるでしょう。管理職になっても、事務的なスキルを失わないよう心掛けておくのが、最後まで楽しく仕事を続けるためには必要です。

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 今年度末(令和5年度末)の退職者から、地方公務員の定年が段階的に引き上げられます。しかし、同時に役職定年制が始まるので、おそらく従来の再任用とあまり変化がないという予想が多いようです。

 

従来の傾向が続く?

 従来、定年に達し、まだ働く意欲のある人で、ある程度以上の役職(部長級以上など)の人は再任用ではなく、外部の会社や関連団体の役職に就く人が多く、それ以外の人は再任用に応募する人が多い傾向にありました。再任用は、定年前と同じ役職のまま再任用という例もありましたが、管理職から外れるケースが大多数です。高い地位にいた人の再任用が少なかったのは、再任用で担当者的な仕事に就いても、後輩たちとしてはやりにくい面があったためかもしれません。

 定年延長になっても、高い役職にいた人は、役職定年を受け入れてその自治体にとどまるのではなく、退職して別の組織に移る場合が多いだろうというのが、おおかたの予想です。

 結局、定年延長といっても、再任用とほとんど変わりなく、退職手当をもらえるのが遅くなるだけという見方が多いようです。

 

担当者のスキルを忘れてはならない

 近年の退職者にはそんな人はいないと思いますが、10年ほど前の退職者、特に管理職を長く務めた人の中には、パソコンをほとんど使えない人もいました。総務事務システムで部下の休暇の承認くらいはできても、Excel表の新規作成などは自分ではできないとか・・・。

 今後、職業人生の最後は担当者としての仕事に戻る人が多くなるでしょう。生産年齢人口が急激に減少していく中、管理職的な仕事でなく働く高齢者を増やさなければ、日本経済の縮小を速めてしまいます。管理職をやっていても、担当者としての実務的なスキルを常にアップデートしていなければなりません。

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 仕事内容は同じなのに定年後の再雇用で賃金を減らされたのは違法だとして、横浜市の運送会社の契約社員(運転手)3人が正社員との賃金差額を支払うよう同社に求めた訴訟が最高裁で争われています。運転手側は逆転敗訴した2審判決の破棄を求め、会社側は維持を求めています。最高裁第2小法廷では弁論も行われ、6月1日に判決が予定され、注目されています。

 

争点は

1審は、「仕事内容が同じなのに賃金格差を設けることは、特段の事情がない限り不合理」として会社側に約415万円の支払いを命じました。これに対して2審の東京高裁は、減額幅は2割程度で同規模企業の平均より小さいとし、その上で「定年後の賃下げは広く行われ、社会的に容認されている」として、地裁判決を取り消しました。

3月には、北九州市の食品会社でのトラブルについて最高裁で、定年を迎える社員に、再雇用(継続雇用)の条件として、仕事をパートタイムとした上で賃金を25%相当に減らす提案をしたのは不法行為にあたるとして、会社に慰謝料100万円の支払いを命じた高裁の判決が確定しています。判決の中で、再雇用については「定年前後の労働条件の継続性・連続性が一定程度確保されることが原則」との判断が示されています。

 

今の流れでは、定年後の再雇用では、ある程度の賃金ダウンは容認されるのでしょう。運転手などのように、定年前後で仕事内容にほとんど変わりがない場合、どの程度のダウンまでが許容されるかが、一つの注目点でしょう。

 

地方公務員にも影響?

 地方公務員の再任用の場合、再任用後は、責任の程度が軽い職務に替わることが一般的です。そのようなケースについては、あまり問題にならないと思います。

 自治体によっては、再任用後に定年前の役職にそのままとどまるような再任用も時々行われています。そのような場合でも、給料は25%くらい下がることが多いようです。

 最高裁の判断によっては、影響を受けるかもしれません。

 

日本は年齢差別に寛容

 アメリカでは、年齢差別禁止法によって、定年制も原則として禁止されているようです。採用時の年齢制限など、禁止されていることはもちろんです。

 一方、日本では、採用時の年齢制限の禁止は非常に緩く、いわゆる正規社員、正規職員の採用は、キャリアを積み重ねる必要性などから、広く容認されています。定年制が一般的であることは、もちろんです。さらに、定年後の再雇用において、賃金をかなり下げることも一般的に行われています。

 

 日本のこの緩さは、憲法に由来しているのかもしれません。憲法第14条は、「年齢」での差別の禁止を明示していません。

 

 日本国憲法第14 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

 定年のある社会と、定年のない社会。私は、どちらかというと、定年があって責任に一区切りつけられる社会の方が、気に入っています。

 

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