国民民主党がなぜか拘っている「103万円の壁」、連日、関連する報道が続いています。中には、国民民主党の玉木代表の不倫騒動まで、財務省の陰謀だという人までいます。財務省が、元グラドルを使ってハニートラップを仕掛けたなど、おもしろすぎます。

 経緯はともかく、玉木氏が公的な立場も弁えず、不倫をしたことは間違いなく、相応の責任を取る必要があるでしょう。

 また、総務省が全国知事会を通じ、各知事を使って反対キャンペーンをしたと言われていますが、その話も本筋から外れています。総務省、総務相が各知事に働きかけたかどうかは知りませんが、各知事は、総務相や全国知事会から何か要請されても、素直に従ったりはしません。各知事が壁の引上げに反対の声を上げたのは、それぞれがそう考えたからでしょう。

 財源を削られて、その補填策は国や各自治体で考えろなどと言われれば、自治体の長とすれば反対するのは当然です。

103万円の壁」という幻影

 このブログでも主張し、何人かの有識者も指摘しておられるように、103万円の壁」などはほとんどの人にとっては存在せず、幻影にすぎません。年間給与が103万円を超えると急激に税負担が増えるわけではなく、超えた額に5%の所得税がかかり、翌年10%の住民税が足されるだけです。増えた収入の85%は可処分所得になるのです。それを理解していれば、生活が苦しい人がこの「壁」を理由に働き控えをするはずがありません。

 政府やメディアは、まず国民に正確な理解を求め、誤ったイメージを払しょくするべきでしょう。

 ただし、親の扶養親族になっているアルバイト学生については、本当に「壁」と言ってもいい実情があります。学生本人については「勤労学生控除」があるので、年間給与が130万円までは所得税はかからず、そこを超えても超えた額に課税されるだけで主婦等と同じですが、扶養している親の税金に影響があります。その学生の年間合計所得金額が48万円(給与収入なら103万円)を超えると、親の「控除対象扶養親族」又は「特定扶養親族」から外れてしまい、親の税金が跳ね上がります。これを解消するには、勤労学生にも「配偶者特別控除」のような調整措置が必要です。

実態は単なる減税策

 国民民主党が問題視している103万円の壁」は実際は壁ではなく、あのやり方は単なる減税策です。しかも基礎控除を引き上げた場合、所得が高い人ほど恩恵が大きいので、減税策としては愚策です。しかも、国、地方を通じた減収が大きすぎるので、基礎控除の大幅引上げはすべきでありません。給与所得控除の最低額の引上げなら、まだしも考慮に値するでしょう。
 いずれにしても、財源を赤字国債に求めたり、取らぬ狸の景気浮揚による増収をあてにするような減税は、禍根を残すと思います。

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