ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 勧奨退職 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:勧奨退職

 ほとんどの地方公共団体で「地方公務員月報」という総務省編集の雑誌を購読していると思います。先日、それを眺めていたら、平成29年度中に退職した人の再就職の状況についての記事がありました。

 

定年退職者の状況

 平成29年度の定年退職者68,541人のうち、再就職した人は48,191人(70.3%)です。最も多いのはその団体に再任用された人32,962人(定年退職者の48.1%)、次いで同団体で臨時・非常勤職員として採用されたのが6,165人(同9.0%)、その他が9,064人(同13.2%)です。

 再任用を選ぶ人、特にフルタイム勤務を選ぶ人が年々増えているとのことです。年金支給開始まではしっかり働かなければ不安ですから、この傾向は当然でしょう。

 

勧奨退職者の状況

 平成29年度の勧奨退職者8,382人のうち、再就職した人は1,534人(18.3%)です。最も多いのはその団体で臨時・非常勤職員として採用された人632人(勧奨退職者の7.5%)、その他が902人(同10.8%)です。

 この結果には、少し考えさせられます。

 

自主的に退職して臨時・非常勤職員に?

 勧奨退職する人には、いくつか類型があります。

疲れてこれ以上働き続ける気力、体力を失った人、親の介護などで勤務継続が困難になった人は、再就職しない人が多いでしょう。

都道府県の上位役職者、技術系職員などでは、関係団体、民間企業等への再就職のために勧奨退職する人がいます。

しかし、定年前に早期退職しながら、またその団体に非常勤職員として勤めるというのは、一般的には考えにくいケースです。給与も半分以下になることが多いでしょうから・・・。

私の知り合いで、この道を選んだ人が一人だけいました。彼は、県の出先機関の次長クラスの職員でしたが、もう責任の重いフルタイムの仕事は嫌だと言って、定年の2年前に勧奨退職に応じ、県の産業廃棄物の不法投棄を取り締まるための巡視員になりました。

老後の生活に不安がなければ、そういう選択もありなのでしょう。

 

 2022年には公務員の定年が65歳まで延長されるかもしれない状況です。寿命が延び、年金財政を維持するにはやむを得ないことかもしれません。しかし、現在でも定年前に働く気力が衰えてしまう高齢職員が存在することも確かです。全員が元気満々なわけではありません。

 年金支給年齢の引き上げはやむを得ないと思いますが、定年を一律に延長するより、再任用制度の拡充の方がいいような気がするのですが・・・。

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 地方公務員の定年前の早期退職者に対する退職手当については、各自治体の条例に基づき、一定の要件の者について、「勧奨退職」という割増制度がありました。これが、国家公務員については、平成25111日から「応募認定退職」という制度に切り替わりました。

 総務省では、地方も国に準ずるよう助言していますが、まだ、旧制度のままの自治体の方が多いようです。

 

従来からの「勧奨退職制度」

 制度の内容は、各自治体の条例で定められますが、おおむね、次のようなものです。

 《勤続25年以上で、定年の年齢から10歳を減じた年齢以上の者が、任命権者の勧奨を受けて退職した場合、退職手当算定の基礎となる退職時給料月額等を、定年までの年数1年につき2%加算する。》

 

 実際の運用としては、任命権者が、勧奨退職の要件に該当する勤続年数、年齢の職員に早期退職の希望の有無を照会し、希望した職員に対して勧奨の手続をするというやり方がほとんどだと思います。また、都道府県などでは、職位の高い職員(部長級など)について、58歳、59歳で勧奨するという慣行も行われていました。

 

「応募認定退職制度」

 応募認定退職制度は、任命権者が、①年齢、職位、勤務部署その他募集の対象範囲を特定する事項、②募集の期間(応募受付期間)、③募集人数、④退職すべき期日又は期間 等を明示、周知して募集するものです。一般に、勤続年数20年以上で、定年まで15年以内の職員が対象になります。応募者は、原則として認定され、退職手当算定の際に退職時給料月額等に、定年までの年数1年につき3%加算されます。

 

新旧両制度の比較

 応募認定退職制度の方が、年齢や勤続年数の対象が広く、また、退職手当の加算も大きくなっています。一方、対象者をあらかじめ特定して職員に周知しなければならず、融通が利かせにくい面があります。

 例えば、早期退職の募集期間が過ぎてから、30年以上献身的に働き、自治体に貢献してきた職員が家庭の事情などで辞めざるを得なくなった場合、従来の制度であれば、勧奨退職の手続を取って、これまでの労に報いることができます。応募認定退職制度では、募集期間が過ぎていれば、原則的にアウトです。

 また、職員にとっては対象になれば新制度の方が有利ですが、自治体の負担の面では、新制度の方が財政負担が大きくなります。

 

 結局、新しい応募認定退職制度は、早期退職の慣行のある国家公務員にとっては有利な制度だと思います。しかし、そのような慣行のない地方公共団体にとっては、よほど職員の年齢構成に歪みがあってそれを是正したい場合以外は、使い勝手が悪い制度のような気がします。無理に導入する必要はないと思います。

 応募認定退職制度の導入を求めている職員団体もあるようですが、この融通の利かなさを理解されているのか、疑問です。この制度の下で個々の職員のために融通を利かせようとすると、脱法的な妙な処理をすることになるのではないかと思います。

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