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 この作品には、最初のページからミスがあります。しかも、トラベルミステリーの第一人者の西村氏とは思えない、鉄道の知識に関する残念なミスです。

 

 北陸新幹線開業によって、東京、金沢の遠距離恋愛に及ぼす影響を解説している部分です。

 今までは東海道新幹線で京都まで行き、京都から北陸本線の「サンダーバード」で金沢へ行くか、東海道新幹線で米原まで行き、そこから北陸本線の「しらさぎ」で金沢まで行くかのどちらか、前者は4時間30分、後者は5時間かかっていたと説明されています。お分かりのとおり、大事な路線が漏れています。

 北陸新幹線開業までは、上越新幹線で越後湯沢まで行き、ほくほく線経由の特急はくたかで金沢まで行くのが、3時間50分から4時間15分ほどと最短でした。しかも、はくたかは、在来線特急の営業運転で日本一のスピードを誇る人気列車でした。

これを漏らすとは、西村氏とも思えません。私自身も、2回ほど乗った懐かしい列車が漏れていて、残念でした。

 

 終盤で、犯罪に至るきっかけが解き明かされる場面も、不自然な点が目立ちます。

 

① 普通の女子大生が、恋人への誕生日のプレゼントに、100万円を超える中古のポルシェを贈ろうなどと考えるというのは、極めて不自然で、ほとんどあり得ない。

② 推理の過程で、亀井刑事や十津川警部の若いころなら、若い男が欲しがる物は車だったかもしれないが、今の東京に一人暮らしをしている若い男が、車を欲しがるのが一般的か?

③ 被害者の普通の女子大生が、入手困難なチケットを大量に入手できた理由は?もし、友人を動員して入手したなら、警察が友人に対する聞き込みをやっているのに、そのことが出てこないはずがない

 

 ①③の点は、犯罪に至る根幹の部分です。これらに不自然な点があると、作品全体が変になります。

 出版社、編集者は、もっと気を付けていただきたいと思います。

 
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