昔から西村京太郎さんの大ファンなのですが、近年の作品に明らかな間違いや変な部分が多く、心配しています。出版社、編集者の皆様に、先生の名声を汚さないように注意していただきたいと思い、綴っています。
この作品には、誰もが読み終えれば分かってしまう致命的な欠陥があります。結末がないのです。
いくつかの事件が起こっていますが、どれも解決していません。最大の事件である列車爆破事件について、容疑者の動機の推測ができただけの段階で、物語が終わってしまっています。誘拐事件など、他の事件についても、犯人などの推測が語られるだけで、捜査もされず、犯人も捕まっていません。
文芸Webマガジンで連載されたもののようですが、途中で放り出してしまったような感じです。
他にも、刑事手続などの間違いがたくさんあります。
まず、一度別の人物が犯人とされ、死刑判決が確定している事件について、簡単に別の人物を犯人とする公判が始まっています。ありえません。
次に、長野地裁でのその公判について、ラジオが法廷内で生中継しています。ありえません。
次に、その被告人が自殺(を装った他殺?)で死亡し、裁判所は、世論の批判を避けるためにすぐに有罪、死刑の判決を下しています。被告人が死亡した場合は、公訴棄却とすることが刑事訴訟法で定められており、有罪判決を下すことはあり得ません。
さらに、その死者への地裁の死刑判決に対して、その死者に縁のあった女性に「上告」させます。「上告」とは最高裁に上げることであり、この場合は「高等裁判所に控訴」です。前提の判決自体がありえないので、どうでもいいのですが・・・。
まだまだありますが、省略します。
そのほかに、小説の構成としての妙な点もあります。
私立探偵の橋本ら民間人7人に捜査を依頼するのですが、大掛かりな設定なのにその後の展開に反映されず、放りっぱなしです。「あれは何だったんだ?」という感じです。
このような伏線の張りっぱなし、回収漏れのような部分は、近年の他の作品にも目立ちます。
繰り返しになりますが、出版社、編集者は、十分注意して、先生の名声をなるべく汚さないようにお願いします。
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