ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 単価契約 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:単価契約

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 前稿では、主に契約保証金を例に、
国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(一般に「端数計算法」)の運用について、この法律を適用すべきでない場合にまで適用される傾向にあることを説明しました。

 「端数計算法の誤った適用」

 

 本稿では、もっと一般的な、売買代金や委託料などの端数処理について説明します。なお、前稿では、「地方財務実務提要」の記載が誤っていたことに触れましたが、現在この書籍の第3巻16章7節「その他諸法関係」に登載されている端数計算法についてのQ&Aは、私法上の債権債務に係る事項については、私からみてもいずれも妥当です。公法上の関係では、この法律が適用除外される「地方団体の徴収金」の範囲について、Q&A間で不一致があり、適当でない部分がありますが・・・。
 本稿の記載は、私法上の債権債務に関する部分なので、国の解釈運用と一致していると思います。

 

債権債務の「確定金額」とは

 「確定金額」については、端数計算法に定義がなく、法令用語として確立した定義があるような用語でもありません。文言に素直に「一つの契約を単位として支払うべき金額、受け取るべき金額として最終的に確定した金額」と解すべきであり、そのように解釈されています。

 つまり、契約によって具体的な金額が決まるような債権債務は、契約の中で端数処理についての取り決めがあれば、それによって端数処理された後の金額が確定金額になるのです。その取り決めは、四捨五入でも切り上げでも構いません。

 

電気料金

 電気料金については、各電力会社が「電力供給約款」を定めており、その中で料金の端数処理の方法が定められ、それに従って請求されます。その約款も含めて契約内容であり、それによって端数処理された後の金額が「確定金額」になるので、端数計算法の出番はありません。

 

一般の物品購入などの消費税等

 物を買って消費税率を乗じると、1円未満の端数が付くことがあります。その場合、相手方は、それぞれの定めているところにより、切り上げたり切り捨てたりして請求してきます。

 契約(発注)の際、端数処理について合意していればそれが契約内容であり、「確定金額」ですが、契約書を作成しない場合のほとんどは、そんなことを決めずに発注しているでしょう。それは、多くの場合、自治体側は相手方の定めに従うことを承認していると解釈すべきです。

 地方公共団体だから絶対に切り捨て以外の請求書は受け付けないなどと突っ張る必要はありません。切り捨ててくださいと言えば応じてくれる業者が多いでしょうが、本来はそんな理屈は通らないと思います。

 

単価契約の支払

 単価契約の論点は、どの単位をもって一つの債務とするかという点です。

 一般的には、1回の発注を一つの売買契約と捉えて端数処理して支払えばいいでしょうが、一定期間ごと(例えば1か月ごと)に集計して請求する旨を定めている場合も多いようです。そんな場合には、その集計した数量に単価を乗じた金額(消費税が付く場合はそれも付加)した金額を債務として確定した金額と考えるべきです。

 このような単価契約では、一定期間ごとに計算した金額をどのように端数処理すべきか、契約書で定めておくことが多いと思います。私は、そのようにしていました。

 「端数計算法の誤った適用3」 に進む。

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会計年度独立の原則、予算単年度主義の一人歩き

 地方自治体が結ぶ契約の中には、相手方と単価だけを契約し、実際に発注して初めて債務が発生する、いわゆる単価契約という種類があります。コピー用紙とか、文房具、ガソリン、灯油などの購入のために、多くの自治体では単価契約を結びます。その契約を結んだだけでは自治体の債務は発生しないため、支出負担行為には該当せず、「予算の執行」にも該当しません

 したがって、会計年度独立の原則とか、予算単年度主義とかに関係なく、いつ契約しようと、地方自治法上の制約はないものです。実際、法令をきちんと解釈して運用する自治体では、繁忙期を避けるため、1年間の単価契約を10月から翌年9月までの1年間で結んだりしています。

 しかし、あまり法令を読まない自治体では、予算単年度主義の名のもとに、このような契約まで41日付けで結ばないといけないと考え、そのように運用しています。そのような残念な自治体は、かなりの数に上ります。

 

地方自治法の関係条文

(会計年度及びその独立の原則)

第208条  普通地方公共団体の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

 各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもつて、これに充てなければならない。

 

(支出負担行為)

第232条の3  普通地方公共団体の支出の原因となるべき契約その他の行為(これを支出負担行為という。)は、法令又は予算の定めるところに従い、これをしなければならない。

 

 読めば御理解いただけると思いますが、支出負担行為に該当しない契約は、どんな期間、時期に契約しようと、制約はないのです。

 

41日付け単価契約の弊害

 41日から実施したい単価契約を41日付けで締結しようとする場合、長期継続契約などを41日付けで結ぼうとする場合と同様の弊害を生じます。

41日付け契約の弊害 長期継続契約の運用」参照

つまり、不適正、業者との癒着、日付の遡りなどの違法行為の誘発、競争の阻害などの原因になってしまうのです。

契約期間を41日から1年間にしたければ、それはいいでしょう。しかし、契約日を41日にしようとすれば、上述のような不都合は免れません。

前年度中の適当な時期に入札などの契約準備をし、3月中に契約を締結すればいいのです。

 

年度を超える単価契約

暖房用の灯油の単価契約を考えてみましょう。4月くらいはまだ寒いので、4月末くらいまでの契約期間は欲しいところです。そんな場合は、例えば11月から4月末までを契約期間にするべきです。わざわざ3月末でいったん契約を終わらせ、41日から結びなおすのは、無駄な作業でしょう。

  こういう契約は、地方自治法などによって、禁止されていませんが、禁止されていると錯覚して「自粛」している自治体がたくさんあるのが実態です。

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