ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 単年度主義の弊害 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:単年度主義の弊害

 岸田内閣は、令和4年度予算編成の基本方針の中などで、「単年度主義の弊害是正」に繰り返し言及していました。予算単年度主義の弊害については、私たち実務者も感じているところで、ついうっかり同感してしまいそうになりますが、岸田内閣の意図が怪しげだったので、私は用心していました。
 「岸田内閣が問題視する「単年度主義」とは?」 

 2022年度補正予算案を見れば、彼らが「弊害」と感じているのは、やはり予算単年度主義ではなく、財政民主主義であることが明らかです。
 この補正予算案、与党に加えて国民民主党も賛成に回り、成立することが確実です。その内容は、物価高騰対策も含まれてはいますが、大半は予備費の補充、積増しとのことです。馬脚を現しました。

 彼らが「単年度主義の弊害」と言っているのは、いちいち国会に内容を説明しなければならないことだったというわけです。事前に国会に説明しなくていい予備費を大量に計上することにより、国会に諮らずに自由に(好き勝手に)予算を執行したいという意図であることは明白です。
 彼らのいう「単年度主義の弊害是正」とは、説明不要の予備費をたくさん計上することだったようです。 

 やはり政権が敵視しているのは「予算単年度主義」ではなく、正確に表現すれば「財政民主主義」のようです。予算単年度主義の弊害は多くの人が感じていることであり、その「弊害」といえば耳障りは悪くありません。正直に「財政民主主義の弊害」と言ってしまうと、専制を目指しているようで支持を失いかねません。

 誰か知恵者がいるのでしょう。官邸官僚でしょうか?
 騙されないよう注意しなければなりません。

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 先日、閣議決定、経済財政諮問会議での審議を経て公表された「令和4年度予算編成の基本方針」の中に、2か所で「単年度主義の弊害是正」について述べられています。しかし、何を「弊害」として問題視しているのか明白でなく、専制を志向する危険な匂いも少し感じています。

 

「令和4年度予算編成の基本方針」の中で

 まず、「基本的考え方」⑥の中で、「これまでの政府・与党の決定を踏まえた取組を着実に進めるとともに、財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家課題に計画的に取り組む。」と記載されています。

 続いて、「予算編成についての考え方」⓸の中で、「いわゆる「16か月予算」の考え方で、令和3年度補正予算と、令和4年度当初予算を一体として編成する。その中で、単年度主義の弊害是正のため必要に応じ新たに基金を創設する等の措置を講じていく。」と述べています。

 これを読んでも、岸田政権が「単年度主義」の何を「弊害」として問題視しているのか不明確です。

 

「予算単年度主義」の弊害

 予算単年度主義の弊害ならば、私も感じています。しかし、それは、主に予算執行における弊害です。年度をまたぐ契約、予算執行がやりにくいとか、年度内に予算を使い切りたくなってしまうとかの問題です。

 予算編成方針の中で岸田政権が問題にしているのは、そういうものではないようです。「財政の単年度主義」とも言っており、主に予算編成段階のもののようです。

 しかし、予算編成においては、今回も「16か月予算」などと言っているように、補正予算や債務負担行為などを活用すれば克服でき、「弊害」と呼ぶほどのものではないと思います。

 

政権の狙いは

 結局、政権の狙いは、国会にいちいち説明することなく勝手に(機動的に)予算を執行したいということのようです。基金を設けて、その基金を勝手に使いたいということなどでしょう。しかし、それは「財政民主主義」に反します。予算単年度主義は、財政民主主義を守るため憲法第86条にも規定されている原則です。

 

 財政民主主義をないがしろにするような暴挙を許さないよう、野党、マスコミ、国民による監視が必要なようです。

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