ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 口利き : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:口利き

 上野前厚生労働政務官が、外国人労働者の在留資格を巡って法務省に「口利き」したあっせん収賄の疑惑について、報道でも公開された音声データを聞くと、法務省が申請者に結果を通知する前に、前政務官の事務所に結果を連絡していた疑いがあります。

 この点について、マスコミや野党もあまり問題にしていないようです。しかし、申請者に結果を通知する前に、口利きをした政治家に連絡していたとすれば、それも問題だと思います。

 県職員だった私もかつてはそんなことをしていましたが、地方では2008年ころを最後に、一掃されたと思います。上野前政務官は経済産業省の官僚出身ですが、国は、まだやっていたのでしょうか?
 「上野前厚生労働政務官の口利き疑惑はどうなった?」 参照

 

大分県の教員採用試験の汚職事件

 2008年に大分県教育委員会で、教員採用試験に伴う汚職事件が発覚しました。それを契機に、全国の都道府県で同様の事案がないか、調査が行われました。

 その結果、採用に手心を加えた事例はほとんど発覚しなかったと記憶していますが、採否について口利きをしてきた議員等に事前に結果を連絡していた事例が各地で発覚しました。教員採用だけでなく、県職員の採用試験などでもです。

 多くの職員が処分を受け、それを契機に地方では「事前連絡」も姿を消したと思います。

 

2008年以前は

 私が経験したところでも、市町村分の特別交付税の配分額が、旧自治省から通知される前に、国会議員からおおむねの金額が県に伝えられてきました。

 福祉施設整備の国庫補助採択でも、同じようなことがありました。

 役所側は普通に審査して許認可や採択を行ったとしても、結果が議員さんを通じて伝えられれば、その議員さんの働きのおかげで許可されたかのような錯覚が生まれます。

 

 今回の事件についても、役所側が事前に前政務官に連絡したのかを明確に解明し、今後、このような昔懐かしい手口の事件が起こらないように是正すべきです。

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 上野宏史厚生労働政務官48)が、外国人労働者の在留資格を巡って法務省に「口利き」し、見返りに金銭を求めていた疑惑20198月に「週刊文春」で報じられました。本人は、政務官の職は辞任したものの、一月以上経過した現在も衆議院議員にはとどまったままです。

 続報を待っているのですが、検察は動いているのでしょうか?このままうやむやにされてしまうのでしょうか?

 私にとっては懐かしい手口の事件ですが、まだこんな露骨なことが行われていたのかと驚きました。

 

議員等からの問い合わせ

 許認可や補助事業の採択などについて、議員に役所への働きかけ、口利きを頼むことは、国だけでなく、地方でも現在も続いています。議員さんが行政に何らかの働きかけをすることも少なくありません。ただし、近年は強引な働きかけは少なく、「問い合わせ」のような形がほとんどでしょう。

ただ、「問い合わせ」でも、職員の側は議員さん等に忖度して配慮してしまう場合はあるかもしれません。議員さんなどもそれを期待して「問い合わせ」ているのだと思います。

行政の運営について「問い合わせる」ことは、正当な議員活動で必要な場合もあり、それ自体を制限することはできません。ただし、職員の側は、議員等からの相談、問い合わせは、軽重を問わず記録に残し、公開できるようにしておくべきでしょう。

今回のように、露骨に献金に結び付けることの牽制にもなります。

 

 「口利き」に関連して「事前連絡」の問題があります。行政側が、申請の相手方等に結果を通知する前に、働きかけてきた議員さん等に事前に結果を「お知らせ」する問題です。

 本稿が長くなったので、この問題は次の機会に書こうと思います。

 「議員等の口利きに対する事前連絡」 に続く

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 東京医科大学文部科学省の局長の子供を裏口入学させていたニュースには驚きました。本省の局長ともあろう人が、そんな収賄に手を染めたことについてです。私立の医学部で裏口入学があることは、昔から公然の秘密のような話なので、何の驚きもありません。

 

地方自治体の採用試験も昔は

 地方公共団体の採用試験でも、昔は情実採用があったと聞いています。私の在職した県では、一般の県職員の採用試験は、昭和50年くらいにはコネ採用は不可能と言われていましたが、教員などではコネ採用があると言われていました。

 大分県教育委員会で、平成20年ころ教員採用試験で口利き、収賄による不正採用が明るみに出て、全国に飛び火しました。しかし、全国的には、不正な採用があったところは少なく、我が県も含め、「事前通知」が明るみに出た自治体が多かったようです。

 我が県でも、県議会議員などの依頼に応じて、合格発表の数時間前に依頼者に合否を伝えたなどで、何人かの幹部職員が処分を受けました。きっと、県会議員は、支持者などからの依頼で口利きをし、さも自分が尽力したような素振りで合否情報を事前に伝えていたのでしょう。

 その事件を契機に、全国の自治体から、そのような口利き、裏口採用は姿を消したはずでした。しかし、数年前、沖縄県の副知事が教員採用試験で口利きをしたことが報道されていたので、残るところには残っていたのでしょうか?

 

採用試験以外でも

 事前通知は、採用試験以外の分野でも行われていました。

 昔は、県が国に要望していた補助事業の採択などは、国から県に正式の通知が来る前に、地元選出の国会議員から伝えられました。省庁が、国会議員に花を持たせたのでしょう。

 特別交付税の配分なども、発表前に地元選出の国会議員から県に概算額が伝えられました。

 このような慣行の中には、近年まで続いていたものもあります。

 

一時は、公務員は絶対に接待を受けないことが徹底されていましたが、近年は少し緩んでいるようです。文部科学省のあの局長も、少し御馳走になることを続けるうちに、軽い気持ちであのようなお世話を受けてしまったのかもしれません。

公務に携わる者は、このような風土があることを自覚し、二度と同じ轍を踏まないよう自戒しなければなりません。


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