ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 固定資産評価 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:固定資産評価

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 不動産の管理が大変なため、土地や家屋の相続をしたがらない等の問題が全国で発生しています。固定資産税の負担も一因になっています。

 

ある地方都市の例

 ある地方都市の中心部から少し外れたところに、昔からの商店街があります。昭和の時代まではそれなりに栄えていたのですが、平成に入り、周辺に郊外型の大型店がたくさん進出したため、衰退していきました。10年ほど前からは半数以上の店舗がシャッターを閉めている状態です。

 売りに出されている店舗(併用住宅)も多いのですが、買い手がほとんどいなく、時々成立する売買は、ただ同然の価格(十分に使用可能な敷地200㎡程度の店舗併用住宅が全体で30万円など)です。所有者が、固定資産税などの維持費に耐えかねて、投げ売りをしている状態です。

 買い手には、外国人も含まれています。こんな地方都市は、全国にあるようです。

 

固定資産税の評価

 土地や家屋に係る固定資産税は、地方税法第341条、第349条で、「価格」(適正な時価)を基準として課税されます。具体的には、総務大臣の定める「固定資産評価基準」に基づいて市町村が評価します。

 土地については、実務上、地価公示、地価調査等の価格の7割を固定資産評価額とすることになっています。

 地価公示、地価調査等の価格は、バブル崩壊以後、下落を続けている地方都市がほとんどですが、その下落の度合いが実態とかけ離れ、極めて緩慢なのです。売買実例価格がピーク時の1割に下落していても、地価公示等の価格は半分程度にしかなっていないようです。その7割に設定された固定資産評価額は、売買する時に成立する価格を大幅に上回ることは当然です。

 

時価を上回る評価は違法

 最高裁では、平成25712日判決などで、固定資産評価基準に基づいて算定された価格であっても「当該土地の客観的な交換価値としての時価を上回るとき」は違法という判断が定着しています。この判断は、固定資産税の性格から、当然の判断です。

 市町村とすれば、国(地価公示)や都道府県(地価調査)が悪いと反論したいところだろうと思います。しかし、これに基づいて課税する以上、課税する価格についての説明責任は市町村が負わなければなりません。

 

 高すぎる固定資産評価が、衰退した地域に追い打ちをかけ、投げ売りを招いています。市町村が、滅びゆく地域に引導を渡しているような構図です。

 市町村は、自らの評価に責任を持ち、求められればその価格で不動産を購入するような制度を導入すべきではないかと思います。

 「国土交通省の空き地空き家対策」参照

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 固定資産税は、市町村の税収の約4割を占める基幹税目であり、都市計画税も合わせると、5割近くを占めます。しかし、その評価額には、さまざまな意見、疑問が出されています。

実態に合わない評価額

 全国的に人口減少が進み、特に地方では空き家が目立ちます。旧市街地の商店街はシャッター通りとなり、山間部などには廃屋が点在します。

 そのような旧市街地の宅地や家屋の固定資産評価は、過去の栄光を引きずり、一般に実勢よりかなり高額です。廃業などでシャッター通りの店舗兼住宅がしばしば売りに出されますが、買い手はほとんど付きません。ようやく買い手が見つかっても、二束三文、固定資産評価額の数分の一の価格がせいぜいです。

 土地の固定資産評価額は、実勢価格の7割、相続税評価額の8割と言われていました。今でも、一般的にはその程度の水準になっているのかもしれません。一方で、旧市街地の商店街のような現状があります。このアンバランス、不公平が問題です。

 

市町村に評価額での買取を義務づけよ!

 そんな価格で売れるはずがないような高額な評価を市町村がするのは、そのことによって市町村に利益はあっても、リスクがないからです。それでは、無責任な評価になってしまいます。

 市町村は、ある土地などを1000万円と評価して課税するのであれば、それに不満な納税者が買取を求めた場合、その価格での買取を義務付けるべきです。その価格で買い取る覚悟もなく、高い評価をするのは、非常に無責任だと思います。

 少なくとも、土地についてはそのような制度を設けるべきです。

 

評価額での買取制度のメリット

 1 評価に対する納得性が高まります。

 2 地価の下げ止まりが期待できます。

    固定資産評価額ならば市町村が買ってくれるという安心感が生まれます。

 3 一定の公有地を確保することにより、再開発がしやすくなります。公共施設や代替地などにも利用できるかもしれません。

   使用目的がなくなった所有者が売ることもできずに所有し続けるより、ずっといいと思います。

 

建物の評価額

 シャッター通りの旧店舗、併用住宅などは、固定資産評価額はかなりの額になることが多いですが、売ろうと思っても売れません。市場価値は、ほとんどゼロです。そんなものに、使おうと思えば使用価値はあるなどという理屈で課税するのは、酷です。

 市町村がその建物に価値を認めて課税するなら、やはり所有者が請求した場合は引き取るべきです。

 ただ、家屋の場合は、土地のように、固定資産評価額で買い取れというのは無理でしょう。無駄に高価で、使用価値の少ない建物もあるし、古い建物は取り壊し費用の分、価値がマイナスでしょう。

 家屋の場合は、市が評価額を付けて一定の価値を認めて課税しているものは無償で(土地の価格だけで)引き取ることがいいのではないかと思います。

 市町村は、請求されても引き取る気のないような建物は、評価を0にすべきです。そのようなものは、建物の取り壊しを条件に土地だけの買取(固定資産評価額で)を義務付けるべきだと思います。

 

 現在、空き家の取り壊しを所有者に促すような施策(住宅用地の課税標準の特例を非適用にするなど)が検討されていますが、上記のような対策とセットでなければ、弱者いじめ、不公正のそしりを免れないと思います。

 旧市街地を衰退させた責任は、行政にもあるわけですから。


 


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