ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 国家賠償法 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:国家賠償法

 最高裁3月12日付けで、森友学園に関する財務省の公文書改ざん問題を巡り、近畿財務局職員赤木氏の自殺は財務省理財局長だった佐川宣寿氏の改ざん指示が原因だとして、妻雅子さんが佐川氏に対して損害賠償を求めた訴訟について、雅子さん側の上告を退ける決定をしました。これで、佐川氏の賠償責任を認めなかった一、二審判決が確定しました。

 小法廷の5人の裁判官のうち、学者出身の一人が反対意見を付したとのことです。

判決は仕方ないと思うが

 この判決は予想どおりです。国家賠償法で、国家公務員の職務中の不法行為は国が責任を負うと規定されており、佐川氏個人の賠償責任を問うことは難しいだろうと私も思います。

 ただ、佐川氏の指示は違法性が明白ですから、職務を逸脱していたとして個人に対する請求が認められる可能性もわずかながらあると考えていました。でも、やはり壁は厚かったようです。

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する

国が佐川氏に求償請求しないのはおかしい

 国は、国家賠償法第1条第1項の規定によって賠償責任を負ったわけです。そして、佐川氏の指示は「故意」であったことは明白です。そうであれば、国は同条第2項の規定により、佐川氏に求償すべきです。行うべき求償請求を怠ることは、国に損害を与える行為です。

 なぜ国は求償請求しないのか?求償請求などすれば、佐川氏が怒って全てをバラしてしまうことを恐れているのでしょうか?亡くなった安倍氏以外で、まだ力のある人が絡んでいるのでしょうか?

 国、財務省は、汚名回復、反省を示すために、求償すべきです。地方公共団体であれば、住民監査請求等で求償請求せざるを得ないはずです。国だけが無責任でいいはずがありません。

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 国や地方公共団体の職員が違法に公権力の行使をした場合、被害を受けた人は国家賠償法により国や地方公共団体に損害賠償を請求することができます。その場合、違法行為をした職員には請求できないことが原則です。国や地方公共団体が損害賠償をした場合、その分を実際に責任のある公務員個人に求償できることになっています。ここまでは、国と地方公共団体の取扱いは、同じです。

 地方公共団体が公務員に求償できるにもかかわらず求償しない場合、地方自治法による住民監査請求や住民訴訟の対象になり、求償請求することを義務付けられます。しかし、国が求償請求しない場合にはこうした制度はありません。

 これは明らかに制度上のアンバランス、不備であり、是正が必要です。

 

森友事件での国の卑怯なふるまい

 違法な公文書改ざんに従事させられたことを苦にして自殺された近畿財務局職員の家族が、国と改ざんを指示した疑いが濃厚な佐川元理財局長を訴えた裁判で、国は請求を認諾して裁判を降りてしまいました。遺族と佐川氏の裁判が残されましたが、大阪地裁は原告の請求を退けました。納得できない気もしますが、国家賠償法の解釈からすればやむを得ない判決だとも思います。

 遺族は、高裁でも佐川氏本人の尋問を求めていましたが、9月13日、その尋問をしない決定をして結審しました。大阪高裁とすれば、国家賠償法の規定がある以上、佐川氏本人の尋問などやってもやらなくても結論に影響はないということでしょう。

 

佐川氏に国家賠償法に基づく求償請求を

 国は、佐川氏のせいで莫大な賠償金を支払わされたわけですから、求償請求をすべきです。求償請求しなかった場合、地方公共団体ならば住民訴訟などを起こせますが、国の場合、国民の側に打つ手がありません。国は、そこまで狙って、認諾という奇策を弄してきたのかもしれません。佐川氏も、求償請求などされれば、怒って洗いざらい真実を暴露してしまうかもしれませんから・・・。

 全国
市民オンブズマンなどが、国民検査請求訴訟、国民訴訟の制度化を求めて運動しています。国の側で、いざというときに森友事件と同じような卑怯な手を使うために不備を温存しておくつもりがないのであれば、制度を整備すべきでしょう。

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