ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 地域医療構想 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:地域医療構想

 20199月、厚生労働省が全国で424の公立・公的病院の名前を挙げて再編の検討を促しました。その後、各地域で、地域医療構想検討会議が開かれるなど、検討が進められているようです。

 

問題があるのはたしかだが・・・

 自分の地域の病院が名前の挙がっている自治体の首長で、「地域医療が崩壊する」等と遺憾の意を表した方がたくさんおられます。中には、再編の必要性は承知していながら、住民へのポーズとして遺憾の意を表された方も多いものと推察しています。医師確保の困難さが骨身にしみている首長さんも多いでしょうから・・・。

 中には、再編を検討する必要なしという結論に至った調整会議もあるようです。

 厚労省が公表したものに問題があることも事実でしょう。中には、再編したばかりの病院が、データの時期の問題でまた名指しされているようなこともあるようです。しかし、個別には問題もあるでしょうが、医療資源(特にスタッフ)の不足は加速しており、全体として再編を進めなければならないことは、間違いありません。

 

産科の現状が近い将来は病院全体に

 地方では、既に、産科を閉科したり、分娩の取扱いを止めたりする病院が、相次いでいます。無理もありません。24時間分娩に対応するには、医師の働き方改革等も踏まえると、かなりの人数の産科医(関係学会等によると8名)が必要になるとのことです。

 日中の産婦人科の外来だけは中小の病院にも設置したとしても、分娩は大病院に集約せざるを得ないことは明らかです。

 少子化の影響等で、産科には一足早く既に再編統合の波が来ていますが、この波は、早晩、他の診療科にも来ることが確実視されています。

 

どこまで守るか

 多死社会、超高齢社会を支えるため、在宅医療は各地域で維持しなければなりません。それをバックアップするための入院医療の体制をどうするか急性期病床をどこまで削減すべきか、各地域で真剣な議論が必要です。

 再編統合は、病院を丸ごと統廃合してしまうことばかりではありません。

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 著者は、国際医療福祉大学大学院教授で、参議院厚生労働委員会調査室客員調査員や多くの政府委員会の委員を務めておられる医師です。本書には、「地域医療構想、地域包括ケアはこうなる!」という副題が付いています。

 団塊の世代の700万人がすべて後期高齢者(75歳以上)になる2025、その前後から発生を予想される様々な社会問題をいう2025年問題」という言葉が知られるようになって、かなりの年月が過ぎました。国も医療費の抑制、年金の抑制など、様々な対策を打ち出しています。年金、医療費など、これらの問題が報道されない日はほとんどないでしょう。

 

 本書は、2014年に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(いわゆる「医療介護一括法」を受けて、医療や介護が今後どのようになっていくのか、どのようにしなければいけないかを解説しています。

 その中で、地域医療構想、診療報酬改定と病床機能報告、地域包括ケアシステムなどが説明されています。

 

 私も以前には県立病院勤務、福祉部門勤務などを経験していますが、ここ数年遠ざかっていて、知識が不足しています。まだ行政に関与している者として、基礎的な知識を身につけようと思って、本書を手に取りました。

 恥ずかしいことに、私は、地域医療計画や2次医療圏と、地域医療構想や構想区域がどう違うのか、なぜ同じようなのが二つあるのか、理解していませんでした。本書の次の記述を読んで、おおむね理解できました。

「地域医療構想は『将来の医療提供体制に関する構想』であることから、構想区域は現時点での医療提供体制の確保を図る目的で設定された『2次医療圏』とは異なり、2025年へ向けて大きく変貌が予想される地域の実態を見据えた将来へ向けての区域設定となる。」

 

 本書を読んで、政府が考えている医療や介護の今後の方向性はおおむね理解できましたが、現時点(2019年)でそれがうまく進んでいるようには見えません。地域に医療崩壊が迫っている危惧が払拭できません。

 地域包括ケアがうまく進展すれば、かなりの問題は解決できるかもしれませんが、あまり進展しているような気がしません。

 病床配置の問題など、各地域(市町村等)が自地域の部分最適を目指すと、県や国全体としての全体最適からは遠ざかるのでしょう。私ごときが悩んでも仕方のない問題であることは承知していますが、心配せざるを得ません。

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