ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 地方自治法改正 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:地方自治法改正

 国が自治体に対応を指示できる権限の創設を盛り込んだ地方自治法改正案が、5月7日、衆院本会議で審議が始ったことが報じられました。現行でも、災害対策基本法や感染症法といった個別の法律に国の指示の規定が設けられていますが、個別法が想定していない非常事態で「国民の生命等の保護のために特に必要な場合」にも指示できるよう一般的な制度として創設するものです。

 閣議決定された時から懸念していましたが、いよいよ正念場のようです。

 「自治法改正で国の自治体に対する指示権を一般化」 参照願います。

 

こんな制度が必要?

 政府は、コロナ禍で生じた自治体の業務の混乱を踏まえた改正と主張しています。コロナ禍では、感染症法が想定していない事態が生じて法的根拠がないまま国が自治体に対応を要請するケースがあったようです。

 それで十分でしょう。政府が必要と考えれば、自治体に要請し、自治体が地域の実情を踏まえて対応を決めるべきです。自治体が政府の要請に従わないとすれば、従えない事情、従うべきではない事情があるからです。地域の実情は自治体の方が分かっています。国の考えが正しいと決めつけることは、傲慢です。

 コロナ禍で、有識者の意見も聞かずに全国一律の休校措置などという愚行をし、社会を混乱させたのは政府(政権?)です。

 

地方分権に逆行

 国と地方は対等協力の関係のはずです。地方分権一括法が1999年に成立した際、2000年4月の施行までに、機関委任事務の廃止等の膨大な法改正に対応するために多数の条例、規則を改正しなければならず、忙殺されました。その記憶が鮮明で、あれを逆戻りさせたくないという個人的な思いもあります。

 全国知事会は、最初は懸念を表明していましたが、微修正で矛を収めてしまったようです。でも、野党は「地方分権への逆行」と批判を続けています。
 自民党は、余計なことはしなくていいので、政治改革にもっと真剣に取り組むべきでしょう。彼らに国の大事を決める資格など、あるとは思えません。

  にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)へ

 3月1日、大規模災害や感染症のまん延といった非常時に国が自治体へ必要な指示ができる仕組みを盛り込んだ地方自治法改正案を閣議決定したことが報じられました。想定外の事態が発生しても、国民の安全確保へ迅速な対応を取れるようにする狙いとのことです。
 改正案では、事態が全国規模だったり、局所的でも被害が甚大だったりする場合などに指示権の発動を認めるようです。現在も、例えば災害対策基本法など個別法に規定があれば国は自治体に指示できるようになっていますが、これを個別法に規定がなくてもできるように一般化するものです。

 また、現行の自治法でも国から地方に「是正の指示」「是正の要求」ができますが、自治体の事務処理に法令違反がなければ行えません。それを、非常時には自治体が事務処理を行う前に指示できるようにするものです。

 

個別法ではダメなのか?

 非常時に国が自治体に指示したほうがいい場面があり得ることは理解できます。しかし、一般的な制度が必要なのか疑問があります。

 一般的には、何をすべきかは現地の状況を把握している自治体の方がよく分かっています。自治体が行動しないとすれば何らかの理由があるからで、国から指示されたといってすぐ動けるとも思えません。

 国の方が多くの情報を持っていそうなのは、外国からの攻撃、原子力災害等に限られると思います。そんなケースは、国が自治体にきちんと情報提供すべき問題です。福島原発の事故の際、国から福島県等に正しい情報が伝わっていたのかどうか、私は疑問を持っています。現地の関係者や国の担当部署は、東日本壊滅の可能性も考えていて、外国の公館も本国の指示で在留国民の東日本からの退避を勧めていました。事態を知った政治家の中には本人や家族の退避を始めた人までいたようです。しかし、少なくとも私が在職していた県庁には、それほどの危機だという情報は伝わってきませんでした。

 こんな場合、情報を正しく伝えればパニックになってしまうので、情報は伝えずに指示だけするということなのでしょうか?

 いずれにしても、ごく一部の限られたケースです。例に挙げられているパンデミックの際の他県の患者の受け入れ指示などは、個別法に書き込んでおけばいいでしょう。それ以外で国の方が的確な判断ができそうなのは、外国からの攻撃、原発事故くらいで、それらの対応は個別法に書き込んでおけばいい話です。非常時などという大雑把な要件で一般的な制度を作ってしまうと、悪用されかねません。

  にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。

 
サイト案内(目次)へ

↑このページのトップヘ