ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 山口県 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:山口県

 一審が「必要性の検討が不十分で財務会計上の違法行為」と認定し、山口県知事個人に代金2090万円を県に返還するよう命じていた高級公用車センチュリーの購入について、広島高裁は5月10日、「違法ではない」として一審判決を取り消しました。

 私は、あの一審判決については、「納税者としては歓迎だが、地方自治制度上は疑問がある」と考えていました。

 「山口県の高級公用車購入に違法の判決」 参照願います。

 

 ネットでいろいろなメディアの記事を閲覧しましたが、判決書を断片的に引用しているだけなので、詳細は分かりませんが、センチュリーについて「高額である感は否めない」としながらも「知事が売買契約を締結したことが当否を超えて裁量権の範囲を逸脱すると評価することはできず、違法ではない」としているようです。

 結論的には、自治制度から見れば妥当な判決だと思います。

 ただ一点、「あれっ?」と思う部分がありました。「センチュリーを来賓車両として長年使用してきたという実績があり、その判断に合理性が認められる」という部分です。長年使ってきたという実績だけで他の車種との比較検討もせずに機種選定したのを是認してはダメでしょう。今どき、こんなずさんな機種選定をしている自治体は、私の周囲では聞いたことがありません。

 

 一般的に考えれば、本来の用途(皇族や外国要人用)として使われることは極めてまれで、普段は県議会議長などの送迎に使っているような車を、2,090万円も出して買うのは非常識でしょう。県も裁判の中で、「知事がセンチュリーの購入を知ったのは最終段階で知事に過失はない」などと主張しているのは、公金の支出としては不適当であると自覚し、知事の個人賠償だけは勘弁してもらおうと考えられたのではないかいう気がします。
 首長の裁量権が広く認められ、今回は山口県側の勝訴になりましたが、自治体の担当者としてはこんな納税者が怒るような支出をしないよう、胆に銘じなければなりません。

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 山口県が2020年に高級車「センチュリー」を貴賓用として2090万円で購入したことについて、違法な公金の支出かどうかが争われた住民訴訟で、山口地裁は11月2日、財務会計上の違法行為として、購入費全額の賠償を県知事に請求するよう県に命じました。

 この判決について、納税者(山口県の納税者ではありませんが)としては歓迎、賛成なのですが、自治制度に照らすと、変じゃないかという気がしています。地方自治の範囲、長の執行権を尊重するのが、地方自治制度、法の趣旨ではないかと思うのです。

 

この購入は庶民感覚からかけ離れている

 本来の用途に使われるのが年に数日あるかないかの車に2千万円もかけるのは、財政的に苦しい地方の県としては常軌を逸していると思います。維持費もかかるでしょう。住民訴訟で訴えた納税者の気持ちは、よく理解できます。

 

長の執行権を尊重すべきでは?

 地方自治法第96条第1項第8号では、一定以上の財産取得については、議会の議決を得なければならないことになっています。その「一定以上」は、自治法施行令で都道府県で動産を取得する場合は7千万円以上で条例で定めることになっています。議会は、7千万円未満の額を条例で定めることはできません。

 したがって、この金額以内の予算執行については長に任されていて、議会の議決は不要です。もちろん予算については議会の議決が必要ですが、款、項ごとの合計額が審議の対象になるだけで、購入予定品目が一つずつ審議されるわけではありません。

 つまり、当該団体の議会ですら直接の権限行使ができない範囲の長の執行権に、裁判所が手を突っ込んでいいのかという疑問が、私にはあります。

 これを正す役割は、選挙民(投票行動やリコール)に委ねているのが、地方自治法の趣旨のような気がするのですが・・・。

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長期継続契約は、長期の契約であることが趣旨、目的ではなく、年度をまたぐことを趣旨、目的とすることをストレートに宣言しているのが、山口県の「長期継続契約を締結することができる契約を定める条例」です。県を見習って、山口県内の自治体も同様の定め方をしているところが多いようです。

 

山口県「長期継続契約を締結することができる契約を定める条例」

地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十七条の十七の条例で定める契約は、次に掲げる契約とする。

一 物品を借り入れ又は役務の提供を受ける契約のうち、その契約の性質上一年を超える期間を定めて契約を締結しなければ当該契約に係る事務の取扱いに支障を及ぼすようなものであって、次に掲げるもの

 イ 電子計算機若しくはその関連装置又は情報通信機器を借り入れる契約

   以下、ロ~ネ略

二 四月一日から役務の提供を受ける必要がある契約であって、当該契約の期間が二年度にわたらないもの

 

 この条例の第2号は、明らかに、4月1日から役務の提供を受けなければならないような契約は、前年度中に契約手続をするために、長期継続契約に指定しています。これこそ、長期継続契約の趣旨、目的を正しく理解し、活用しようとしている立派な条例です。

 長期継続契約であっても事業年度開始前の契約手続は不可だとか、長期(複数年)の契約でなければ該当しないなどという馬鹿げた運用をしている自治体の制度担当者は、山口県を見習っていただきたいものだと思います。

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