12月18日、自民党と国民民主党が、いわゆる「年収の壁」について178万円まで引き上げることを盛り込んだ来年度税制改正について合意したことが報じられました。私は、この「引き上げ」に反対ですが、国民に誤解を与えるような発表の仕方、報道の仕方にも反対です。
そもそも「103万円の壁」など存在しなかった
例えば、従来、年間給与収入が103万円を超えて104万円になった場合、超えた1万円に対してだけ5%の所得税が課税されました。所得税が500円と翌年に住民税が1000円徴収されるだけで、8500円は手もとに残るのです。全体の104万円に税率を掛けるわけではありません。「壁」などではなく、なだらかなスロープが始まるだけです。
この1500円の税金が嫌で、8500円の手取り増を諦めて働き控えをするなど、制度を正しく理解していれば、あり得ないでしょう。
「壁」と呼ぶべき断層が生ずるのは、社会保険の第三号被保険者に該当するかどうかという境界と、アルバイト学生が働きすぎて扶養から外れてしまう境界くらいです。専業主婦家庭だけを不当に優遇する第三号被保険者制度を廃止する等を行えば解決するのに、夫は外で働き妻は家を守るという家族像に固執する連中に気を使って、抜本的解決はしたくないようです。
税は広く徴収するほうがいい
基礎控除をあまり引き上げることにも反対です。基礎控除は、本来は誰もが同額であるべきですが、そうすると基礎控除を引き上げた場合、高所得者の方が恩恵が大きくなります。それを防ぐには、税制を無駄に複雑化する必要が生じます。
税を全く負担しない層を拡大することも、社会にとっていいことだとは思えません。所得に応じ、わずかでも負担を求めるべきだと思います。また、報道によると、減税に伴う財源手当てもできていないとのことです。まさに政権維持のための党利党略です。
国民に正しく理解させようとせず、人気取りのため劇場型政治をやっている政治家や、それに乗せられているメディアに危うさを感じます。
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