ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 年収の壁 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:年収の壁

 12月18日、自民党と国民民主党が、いわゆる「年収の壁」について178万円まで引き上げることを盛り込んだ来年度税制改正について合意したことが報じられました。私は、この「引き上げ」に反対ですが、国民に誤解を与えるような発表の仕方、報道の仕方にも反対です。

そもそも「103万円の壁」など存在しなかった

 例えば、従来、年間給与収入が103万円を超えて104万円になった場合、超えた1万円に対してだけ5%の所得税が課税されました。所得税が500円と翌年に住民税が1000円徴収されるだけで、8500円は手もとに残るのです。全体の104万円に税率を掛けるわけではありません。「壁」などではなく、なだらかなスロープが始まるだけです。

 この1500円の税金が嫌で、8500円の手取り増を諦めて働き控えをするなど、制度を正しく理解していれば、あり得ないでしょう。

 「壁」と呼ぶべき断層が生ずるのは、社会保険の第三号被保険者に該当するかどうかという境界と、アルバイト学生が働きすぎて扶養から外れてしまう境界くらいです。専業主婦家庭だけを不当に優遇する第三号被保険者制度を廃止する等を行えば解決するのに、夫は外で働き妻は家を守るという家族像に固執する連中に気を使って、抜本的解決はしたくないようです。

税は広く徴収するほうがいい

 基礎控除をあまり引き上げることにも反対です。基礎控除は、本来は誰もが同額であるべきですが、そうすると基礎控除を引き上げた場合、高所得者の方が恩恵が大きくなります。それを防ぐには、税制を無駄に複雑化する必要が生じます。

 税を全く負担しない層を拡大することも、社会にとっていいことだとは思えません。所得に応じ、わずかでも負担を求めるべきだと思います。また、報道によると、減税に伴う財源手当てもできていないとのことです。まさに政権維持のための党利党略です。
 国民に正しく理解させようとせず、人気取りのため劇場型政治をやっている政治家や、それに乗せられているメディアに危うさを感じます。
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 パートで働く主婦等が被扶養者として社会保険料の負担を避けるために働く時間を抑える「年収の壁」問題、政府がまとめた「対策パッケージ」の内容は場当たり的で問題の解決にはならないお粗末なものでした。

 主な内容は、一つは、従業員100人以下の企業では、保険料負担の目安となる年収130万円を超えても、人手不足などによる一時的なものであることを事業主が証明すれば連続2年まで扶養が維持されることです。もう一つは、従業員101人以上の企業では、年収106万円を境に従業員の保険料負担が発生しますが、これを肩代わりする手当を企業が払った場合に、従業員一人当たり最大50万円の補助金を支給する制度のようです。

 

不公平を拡大

 そもそも被用者保険の「扶養」の制度自体不公平な制度です。被扶養配偶者分の保険を扶養者が負担するのならいいのですが、加入者全体で負担しているのです。単身者、共働き世帯などにとっては、極めて不公平な制度です。国民健康保険などにはこんな制度はなく、被用者保険だけの制度であることも不公平です。

 それをさらに税金をつぎ込んで補助金を支給する・・・!バカも休み休みにしていただきたいものです。

 

生産年齢の配偶者の扶養など廃止すべき

 子育てを社会全体で支える、または高齢者や障がい者を社会全体で支えるという趣旨なら、「扶養」制度はあってもいいでしょう。しかし、健常な配偶者を対象にするのは不公平です。

 共働きが多数派となった今、子育て環境を整備して「扶養」など原則廃止すべきです。少子化問題に悪影響はないでしょう。
 扶養の原則廃止により、労働力不足の問題、年金財源の問題にも好影響があるはずです。今の政権に抜本的な解決策を断行する使命感と勇気のある政治家がいないことだけが問題なのだと思います。こんな調子では、少子化問題への対策も期待できそうもありません。日本は、衰退への道をまっしぐらです。

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 岸田総理は、2月1日の衆院予算委員会で、パート従業員らが働く時間を抑える原因となっている社会保険の被扶養者の「年収の壁」問題の解消に向けて、制度を見直す意向を表明しました。

 現行制度では、夫が会社員や公務員、妻がパート勤務の場合、妻の年収が130万円(企業規模などにより106万円)を超えると、夫の社会保険の「被扶養者」から外れ、妻に保険料負担が生じます。これまでも短時間労働者への被用者保険の適用拡大が進められてきましたが、これをさらに拡大する方向でしょうか?

 自民党が、制度の抜本的改革までの当面の策として、一時的に保険料負担を補助するよう提言し、それに対して岸田総理は、「一時的な保険料補助は、単身世帯の方々との公平という問題がある」と指摘したと報じられています。

 

不公平な制度

 岸田総理の指摘はその通りだと思いますが、「単身世帯との公平」を言うのなら、もっと大きな問題があります。配偶者を被扶養者として保険料負担の対象から外してしまうこと自体、単身世帯の人にとっては著しく不公平です。

 被扶養者分の保険料を扶養者が負担するのなら問題はないのですが、そうではなく、単身者も含めた被保険者全体で負担することになってしまっています。

 18歳未満の子供についてならば、その分の保険料を社会全体で負担するということでいいと思いますが、生産年齢人口の専業主婦の保険料を社会全体で負担するのは、明らかにおかしいと思います。

 ちなみに、国民健康保険には被扶養者などという概念はなく、専業主婦であろうと世帯主が負担する保険料に加算されます。だから、会社を辞めた時など、被用者保険を2年間任意継続(事業主負担分はなく、全額本人負担)するか、国民健康保険に加入するかを選択しなければならないのですが、一般的に扶養親族がいれば被用者保険の任意継続の方が有利(保険料が安い)になります。アンバランスが生じています。

 また、老親を扶養していても親が75歳以上になると後期高齢者健康保険という別の制度の対象になり、被扶養者にできず、別途保険料負担が生じます。ここでもアンバランスが生じています。

 政府がいう「対応策」、どんなことを検討しているのかまだ報じられていませんが、被用者保険の「扶養」という制度が、あちこちで矛盾を生じさせていることは疑いがありません。私は、子どもや障がい者など以外は廃止すべきだと思います。夫婦が共に働いて一緒に子どもを育てることは、少子化対策の足を引っ張るとは思えません。夫が働いて妻は子育てをして家を守るという旧来の家族の在り方を優遇する必要はありません。

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