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地方自治法の特別法でもある地方公営企業法が、会計年度区分についてどのように規定しているか見てみると、次のように規定しています。
(計理の方法)
第20条 地方公営企業においては、その経営成績を明らかにするため、すべての費用及び収益を、その発生の事実に基いて計上し、かつ、その発生した年度に正しく割り当てなければならない。
「費用収益対応の原則」に従うことを明確に宣言しています。これは、発生主義を採る企業会計だから書ける規定です。企業会計では、経営成績を正しく反映させるため、費用収益対応の原則が大切にされています。例えば、翌年度の6月に支給する賞与が今年度の12月から来年度の5月までの勤務実績に基づいて支給されるとすれば、12月から3月分までの4か月の勤務に対応する部分は、今年度に支出がなくても今年度の経費として見越(みこし)計上します。また、今年度の7月に支出した火災保険料が今年度の8月から来年度の7月までの1年分の保険料だとすれば、今年度に全額支払っているでしょうが、来年度の4月から7月までの4か月分は翌年度の経費として繰り延べます。
現金主義を原則とする普通会計では、このようなシステムはなく、費用収益対応の原則の厳格な適用は不可能です。
この明確な原則があるため、地方公営企業会計法施行令の歳入の所属年度に関する規定は、自治法施行令に比べてシンプルです。
地方公営企業法施行令
(収益の年度所属区分)
第十条 地方公営企業の収益の年度所属は、左に掲げる区分による。
一 主たる収益及び附帯収益については、これを調査決定した日の属する年度。但し、これにより難い場合においては、その原因である事実の存した期間の属する年度
二 資産の貸付料その他これに類するもので前号に掲げるものに属しないものについては、貸付その他収益の発生の原因である事実の存した期間の属する年度
三 前二号以外の収益については、収益の発生の原因である事実の生じた日の属する年度。但し、これにより難い場合においては、その原因である事実を確認した日の属する年度
自治法施行令との比較
公営企業法施行令第10条第1号では、「調査決定した日」と言っています。これは、いわゆる「調定日」を指すことは明らかです。自治法施行令にはこのような文言はなく、この規定ぶりの違いから解釈すれば、自治法施行令の方は調定の日で所属年度を判別するつもりがないことは明確です。