ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 後期高齢者医療 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:後期高齢者医療

 5月12日、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等改正法」が、参院本会議で自民・公明・国民民主の賛成多数で可決、成立しました。

 法案の内容は、かかりつけ医機能の制度整備や出産育児一時金の費用を後期高齢者医療制度も負担することなどで、後期高齢者医療の保険料も引き上げられます。この引き上げは、年金収入が年153万円を超える人が対象で、75歳以上の約4割が該当するとのことです。2024年度から段階的に負担を増やすことになっていますが、今回の制度改正では、低所得層には新たな負担は生じないよう考慮されています。

 立憲民主、維新、共産などは反対したようですが、あまり騒ぎにならなかったということは、強い対決姿勢の反対ではなかったのでしょう。

 

高齢者の医療費負担増には賛成

 私も、後期高齢者医療の保険料負担増には賛成です。これ以上現役世代の負担ばかり増やすわけにはいかないし、社会を維持するための少子化対策には後期高齢者も応分の負担をすべきことは当然です。

 ただ、「異次元の少子化対策」を実施しようとすれば、それぞれの医療保険から拠出させるやり方では無理があり、「こども保険」のような新たな社会保険の枠組みが必要だと思います。

 「人口戦略法案」(山崎史郎)を読んで  参照願います。

 

「かかりつけ医」は様子見

 かかりつけ医制度については、うまく機能するかどうか、疑問に感じています。今の開業医は、診療科がかなり細分化されていて、「かかりつけ医」を機能させようとすれば、総合診療医を多数養成しなければならないのではないかと思います。

 前期高齢者の私も毎月通院していますが、眼科です。他の診療科にはあまりお世話になったことがなく、新型コロナ対策などで「かかりつけ医」といわれるといつも困っていました。整形外科には毎週通院しているが内科的な疾患はないという高齢者も大勢います。
 「かかりつけ医」制度によって、社会の負担、個人の負担が増えるのでは本末転倒であり、今後の動向に注意しようと思います。

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 後期高齢者医療費の自己負担額は、原則として1割、現役並み所得者(住民税課税所得が145万円以上の者)等は現役と同様に3割となっています。

 現在、この1割負担となっている人のうち負担能力のある人について、2割の負担とする制度改正の議論が進められています。10月10日の報道によると、厚労省では年収240万円以上383万円未満の人について、2割負担とする案で調整に入っているようです。

この厚労省の案は理解できるのですが、10月8日、財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会での議論は、これとは別の方向性を示唆しており、心配しています。

 

財務省の主張

 財務省は資料で、後期高齢者の窓口負担について可能な限り広範囲で2割負担とすべきだと主張し、遅くとも団塊の世代が後期高齢者となる2022年度初めまでに改革を実施したい考えを示しました。委員からも賛同の声があがっていたようです。

 また、財務省は、「年齢を基準に一括りにせずに負担能力を踏まえる必要がある」、「高齢者は現役と比較して平均的に所得水準が低い一方で貯蓄高は高いことや、所得が低い高齢者でも相当の金融資産を保有している人がいることを踏まえて制度設計の検討を進めるべき」としています。

 財務省の誘導したい方向性が、かなり露骨に報じられています。

 

2割負担導入は賛成だが資産に着目は反対

 高齢化がますます進み、社会保障費が増大する中、2割負担の導入には賛成です。年齢で一括りにせずに負担能力を踏まえるべきことも、その通りでしょう。

 しかし、資産の多寡に着目するのは、非常に筋悪で、こんなことをしたら悪政と言わざるを得ないでしょう。

 年収1千万を超えていてもほとんど貯えのない人もおり、300万くらいでも将来への不安に備えて貯蓄している人もいます。資産は、収入の時点で既に課税された残余を倹約して蓄えてきた結果でもあるのです。

 また、高齢者が資産を蓄えているのは、年金で生活するのが苦しそうだから自助努力してきた結果です。国がそのような状況に高齢者を追い込んでおきながら、資産があるからといって貯えてこなかった人より高い負担を求めるのは、わなを仕掛けて追い込んでいるような悪政でしょう。イソップの「アリとキリギリス」のキリギリスのような生活を国民に奨励しているようでもあります。

 また、こんなことをすると、多額の資産を持つ本当の金持ちは、海外に資産を移すでしょう。

 収入、所得で線引きする厚労省案の方が妥当だと思います。

 

 財務省のエリート官僚の皆さまも、こんな悪代官のようなことを考えず、国内で発生する収入、所得をマイナンバーを活用して完全に補足することを考えていただきたいものです。

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